好きな人には他に好きな人が居ます 2 (ページ44)

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093：仲がいい証拠ページ44

制服も冬服へ変わり、街の景色も枯葉色に染まり出した秋の始まり…

「ねぇソヌーお腹すいた」

昼休み中ジョンファンは何処かへ行ってしまい仕方なく隣にそう話しかけると、
「早っ」なんてソヌは驚きながら顔を歪めてる

SN「さっき給食くっただろ」

「それでも空いたんだもんっ
　だって食欲の秋って言うじゃん!?」

SN「ったく、そんなんだから太るんだよ」

「別に太ってないもんっ」

SN「それ以上太ったら
　自転車に乗せてやらないからな」

「だから太ってないってば!!」

相変わらず口喧嘩ばかりの私とソヌは
一度言い始めると誰かが止めるまで言い合いが止まらなくて、
“太ってない”と言い張る私に「じゃあ何キロか言ってみ」なんて挑発的な顔をするソヌ

「それ普通女の子に聞くっ!?」

SN「Aって女子だったっけ?」

とぼけた顔してそんな事を言う姿に、余計に腹が立ってくる

「ちょっと!!いい加減に―――」

JF「2人ともっ!!!」

ソヌの暴言に言い返そうとした瞬間私達の所にやって来て、
“ちょっと待った”と私の右手とソヌの右手を掴んだジョンファン。
そしてなぜか私の手とソヌの手を繋いで、満足そうに見ている…

JF「うんうん、
　喧嘩するのは仲がいい証拠だよね」

「え…いや、そうじゃなくて…」

そう…あの日以来、ジョンファンには完全に誤解されたままだ

SN「あーもうっなんで俺達が手繋ぐんだよ」

そう言って繋いでいた手を解いたソヌに、私も同意する様に頷きながら手を放した

JF「あ、そうだ2人とも!!
　今度遊園地とか行ってみない!?」

「遊園地?」

SN「なんだよいきなり」

突然な誘いに戸惑っている私達を横目に
「秋も遊ぼうって言ったじゃん!!」なんて1人はしゃいでるジョンファン

JF「だから遊園地!!
　一緒に行こうよ～先輩と4人でさ!!」

「4人で…」

その言葉を聞いて、正直“またか”って思った。
少し前なら3人で行こうよって話してたのに、今はいつの間にか4人になってて、
そんな些細な事が引っかかってまた憂鬱になる私。
先輩と一緒になんて行きたくないって心の中では思ってるのに、
きっと私はまた断れずに後悔するのかもしれない…
こうやって“また”を何度も繰り返して、
結局いつも前に進めないで居る自分が時折死ぬほど嫌になる時があるんだ…

　