094：無理なお願い ページ45
「せっかくだし先輩と2人で行ってきたら?」
楽しそうなジョンファンを前にして、私は苦し紛れにそんな提案をした。
ジョンファンと先輩が2人きりってそれはそれで凄く嫌だし、
きっとその日は1日中2人の事が気になって家の中でモヤモヤするんだろうけど、
2人が一緒に居るのを目の前で見るよりはいい気がする…
JF「そんなの無理だよっ、
先輩と2人なんて緊張しちゃうし…
だから一緒に行こ!!ねっソヌも」
SN「いや…俺はいい、遊園地に興味ないし」
JF「えーっ!!そんなぁ…
Aは!?Aは行ってくれるよね!?」
「えっ、私っ!?」
JF「うん!!Aなら先輩とも仲いいし!!」
「いやぁ…さすがに3人は…」
渋い顔をしながらそう言う私に、「ついて来てよ〜」と拝み倒すジョンファン。
ソヌと3人ならともかく先輩と3人なんて…私にとっては地獄でしかない
「いや、ジョンファン…今回は私も…」
さすがの私も今回ばかりは無理だと断ろうとすると、
「そんな事言わないで…お願い」なんてジョンファンは手を握って懇願して来て、
捨てられた子犬の様に目をウルウルさせながらそんな事を言うもんだから、
断ろうと決めた決心も簡単に揺らいでしまう
「うーん…そう言われても…」
JF「お願い…Aだけが頼りなんだ…」
「……はぁ…分かったよ」
結局ジョンファンのお願い攻撃に負け、ため息交じりに承諾してしまった私。
そんな自分のバカさ加減に落ち込んでいると
「じゃあ俺も行くよ」なんてソヌの声が隣から聞こえて、
その声にジョンファンが「興味ないんじゃなかったの?」なんて首をかしげた
SN「まぁ…興味はないけど
奇数より偶数の方がいいだろ」
JF「うん、それは確かに!!
よしっじゃあ4人で遊園地決まりだね!!
絶対だよ!!変更はなし!!」
「う、うん…」
SN「あぁ」
「やったぁ〜!!」と叫びながらピョンピョン跳ねてるジョンファンを横目に、
私の心は跳ねるどころか沈んでいく一方…
「…なんで急に行く気になったの?」
そこらで飛び跳ねてるジョンファンは放置したままソヌに尋ねると、
「別に」なんて返って来た短い答え
「遊園地に興味ないのに?」
SN「たまにはいいかって思っただけだよ」
「ふーん…」
私が1人になるのを心配してくれたのかなって思ったけど、
急に行く事に決めた理由をソヌは教えてくれないから、私もありがとうは言わない事にした
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作者名：のん | 作成日時：2016年5月17日 21時
