091：大事なのは勢い ページ42
「…で?されたの?」
SN「え?……あぁうん」
「へー」
ジョンファンの言う通り、やっぱりソヌは告白されてたらしい。
すぐ分かったってジョンファンは言ってたけど、私は全然分からなかった。
…自分で言うのもなんだけど、私はそういう所少し鈍いと思う。
誰が誰を好きとか雰囲気で分かるとか聞くけど、私は言われないと全然分からないし、
ソヌの気持ちも全くと言っていいほど気が付かなかった。
そういう意味で言ったら、私もジョンファンを悪く言えないのかもしれない…
「ねぇソヌ…」
SN「んー」
「ひとつ聞いて良い?」
SN「…なんだよ」
「自分から告白するって、どんな気分?」
そんな私からの質問を聞いて、少し驚いた様な顔をしてるソヌ。
自分に告白した人に聞く事じゃないのは分かってるけど、
こんな事聞けるのはソヌくらいしか思い浮かばなくて聞いてしまった…。
私は自分から誰かに告白した事はないけど、きっと相当勇気がいる事だと思う。
だって私がジョンファンに告白するなんて考えただけでも緊張するもん…
SN「どんな気分って…なにが」
「いや、だから…
告白するって…やっぱり勇気いる?」
SN「そんなの当たり前だろ」
「だよね…」
SN「…まぁでも、勇気もいるけど
1番大事なのは勢いだと思うけどな」
「勢い?」
SN「あぁ、言ってしまえ!!っていう勢い。
勇気が無いとかウジウジしてたら
一生告白なんて出来ねぇよ」
「そっかぁ、勢いかぁ…」
SN「なに、とうとうジョンファンに
告白でもすんの?」
「ち、違うよ!!違うけど…
私にも出来るのかなぁーって、
ちょっとそう思っただけで」
私は唇を尖らせながらモジモジとそう答えた。
ジョンファンに告白する気なんてまだないけど、
勇気を出せば私にも出来るかなって、そんな事を少し考えただけ。
でもソヌの言う勢いっていうのも確かに肝心で、そして意外と難しい…
告白してどんな返事が返ってくるのか、薄々予想は出来てしまうから余計に難しいんだ
「勇気と勢い…か…」
SN「何て返事が返ってくるのか、
そんな事ばっか気にしてたら
勇気も勢いも出てこねぇぞ」
「え…」
まるで私の心を読んだかのようなソヌの言葉に
ドキッとしたと同時に少しだけ恥ずかしくなった…
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作者名：のん | 作成日時：2016年5月17日 21時
