067：あの日に戻れたら ページ18
ジョンファンは何も悪くない、ただ自分が悪いんだって分かってるのに、
悲しくて悔しくて涙が止まらず足早に歩き続ける帰り道。
そんな私の後からずっと聞こえる自転車の音で、ソヌが付いて来てるんだって気付いた
「…っ…付いて来ないでよっ」
立ち止まって後ろを振り向かずにそれだけ言って私はまた歩き出す、
それでもまだ聞こえてくるソヌの自転車の音
「来ないでってばっ…
泣いてなんかっ…ないからっ」
歩き続けながら後ろのソヌに聞こえるように言った。
こんな自分が情けなくて見られたくなくて怒る様な口調で言ったけど
泣きながらそんな事を言っても全然説得力がないのは分かってる。
だけどやっぱり、こんな最低な姿を見られたくない…
「大丈夫だってばっ!!」
何度声をかけても反応がなく鳴り止む事のない自転車の音、
そんなソヌの行動に痺れを切らした私は
「大丈夫だって言ってるのに!!」と泣きながら振り返っていた。
涙でグチャグチャな顔を見られて、もう何もかも最悪だ…
「大丈夫なのにっ…どうしてっ…
どうして付いて来るのよっ!!」
SN「……俺も家こっちだから」
平然とそう答えるソヌに私は眉間にしわを寄せた。
ムカつく答えに言い返したいけど、口論したいわけじゃないと自分に言い聞かせ
「じゃあ先に行けば」と端に寄って道をゆずった私の前を通り過ぎようとした時
ガシッといきなり私の腕を掴んで来たソヌ
「なによっ放して、放してってば!!
大丈夫だからっ!!」
SN「何が大丈夫なんだよ!!そんな顔してっ!!」
「……」
SN「全然大丈夫じゃないだろっ!!」
「……」
怒鳴る様な声にピタリと止まった私の動き。
大丈夫じゃないのは自分が1番良く分かってるから言い返す言葉が見つからない…
ソヌの言葉で気が抜けてしまった私は、抵抗する言葉も抵抗する気さえなくなり
「乗れよ」とソヌに言われるがまま自転車に跨った
「……」
SN「……」
自転車に乗ってからずっと、ただ無言で走り続けるソヌ。
私はもう怒るのにも泣くのにも疲れてしまい、ただ目を閉じてソヌの背中に頭をくっつけた。
いくら時間が経っても家には辿りつかない自転車がどこに向かってるのかは分からなかったけど、
私は一度も目を開かなかった…
もしも時間を戻せたなら、ジョンファンにあんな酷い事言わないのに…
ううん…もし本当に時間を戻せるんだったら、ジョンファンと出会ったあの日に戻りたい
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作者名：のん | 作成日時：2016年5月17日 21時
