好きな人には他に好きな人が居ます 2 (ページ17)

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066：吐き出した嘘ページ17

私が心の中の黒い想いと必死に戦ってるなんてこれっぽちも思わないジョンファンは
「もしかして先輩も僕の事好きだったりするかな!?」なんて楽しそうに話を続けてる

SN「さぁ…どうだろな」

JF「どうしよう!?
　もし先輩も僕が好きだったら!!」

浮ついたジョンファンの言葉に「知るかよ」なんて面倒くさそうに答えるソヌ。
そんな2人の会話を隣で聞いていた私は「んなわけないじゃん…」と小さく吐き捨てたけど、
でもそんな些細な反抗がきっかけで私の心のダムは崩壊してしまった…

JF「はぁ～本当に先輩が
　僕の事好きだったらいいのになぁ」

「……るわけないじゃん…」

JF「え?」

「そんな事あるわけないじゃん!!」

JF「…A?」

SN「急にどうしたんだよ」

急に大きな声を出した私に驚いてる2人

「先輩がジョンファンを好きとか
　そんなのありえるわけないじゃん!!
　スヨン先輩だよ!?
　あんなに綺麗で人気のある人が
　ジョンファンを好きになるとかありえない!!」

先輩がジョンファンの事を好きなのは知ってるくせに
それを認めるのが嫌で口から出てしまった言葉、
凄く酷い事言ってるって分かってたけど、溢れ出した言葉を止める事は出来なかった

「そんな夢みたいな事ばっか言ってないで
　いいかげん目を覚ましなよ!!
　先輩とジョンファンなんて全然釣り合わない!!」

JF「……」

SN「……」

言い切った後訪れた沈黙、複雑な表情で立ち尽くす2人を見て冷静になれば
なんて事を言ってしまったんだと後悔が襲って来たけど
今さら謝る言葉も見つからず私も静かに立ち尽くした

JF「……A…」

一言私の名前を口にした後、悲しんでいるような怒っているような失望したような、
そんな目でこちらを見つめるジョンファンから目を逸らした私。
泣きたいのは私の方なのに、私より泣きそうな目をするジョンファンの視線に耐えきれず
私はその場から逃げる様に2人に背を向けて走った。
涙はきっと、見られてはいないはず…

「…っ…」

ジョンファンに出会って初めて見た顔…
いつも笑ってたジョンファンがあんな顔するなんて、しかもそれが私のせいだなんて、
もうきっと私の事なんて嫌いになっただろうって…色んな考えが頭を過って止まらない涙。
本当に…私はなんて最低なんだろう、応援どころかジョンファンを悲しませて
しかも…先輩の気持ちを知って嘘をつくなんて…本当に最低だ

　