好きな人には他に好きな人が居ます 2 (ページ16)

今日:6 hit、昨日:1 hit、合計:20,588 hit

065：手作りの意味ページ16

SN「…意味わかんねー」

JF「へへっ見たい!?知りたい!?」

ソヌの言葉に待ってましたと言わんばかりの笑顔でそう答えたジョンファン

SN「だから何なんだって、早く言えよ」

JF「実はねぇ…」

「ジャーン!!」と叫びながらジョンファンが掲げた手には、
可愛くラッピングされた、明らかに誰かから貰ったであろう袋が…

SN「何だよそれ」

JF「これねぇ、先輩がくれたんだよ!!
　誕生日プレゼントのお礼だって!!」

「…へー、そうなんだ」

ジョンファンの話しに動揺も驚きも無く、ただそう答えた私。
だって、きっとそんな事だろうと思ったから…
ジョンファンがあんな顔をする時は大抵私が聞きたくない話しをする時なんだ。
先輩の話しをしながらムカつくくらい浮足立つジョンファンを前に、
少し引きつってたとしても笑顔で居れる自分は案外強いなって思うし
「良かったね」なんて思ってもない事を簡単に口に出来る私って凄く最低だと思った

JF「もらった時はビックリし過ぎちゃって
　自分が何て言ったかも覚えてないよ…
　リアクション薄いとか思われてないかな!?」

SN「いや、それは無いだろ」

JF「でもせっかくくれたのに、
　もっと大げさに喜んだ方が良かったかなって」

「ジョンファンはいつも大袈裟だから大丈夫だよ」

SN「だな」

JF「だって!!これ手作りなんだよ!!
　手作りクッキー!!」

そう言って大事そうに両手でクッキーを持っているジョンファンは
「手作りくれるって事は何か意味があるのかな!?」なんて目を輝かせてる

JF「Aはどう思う!?
　女の子が手作りするって意味があるの!?」

「えっ…あぁ…まぁそうだね…
　嫌いな人に手作りはあげないだろうね」

JF「やっぱり!?やっぱりそうだよね!!」

SN「…そうとは限らないけどな」

私に気を使ってくれたのか、ソヌはそんな事を言ってたけど、
きっとジョンファンの言う通り…先輩はジョンファンにだから手作りをあげたんだ。
私には分かる…それは先輩の気持ちを知ってるからってわけじゃなくて
女の子は皆そういうもの、好きな人には手作りで自分の気持ちを伝えたいって思うものだから…

さっきから嬉しそうな顔をするジョンファンを見ながら感じるのは、
いつもの悲しいって感情とは違う、どこかトゲトゲした黒い感情…
そんな感情が生まれたのはたぶん…私が先輩の気持ちを知ってしまったからだ

　