060：タイミング ページ11
SN「ってか、もう帰んの?」
「うん、それ渡して帰ろうと思ってた」
SN「じゃあさ…一緒帰る?
もう少ししたらジョンファンも来るし」
「もし嫌なら全然いいけど…」なんて少し迷いながら私を誘ってくれるソヌの言葉に
じゃあ久しぶりに3人で帰ろうと私が返事をしようとした瞬間
遠くから「ソヌー!!」なんて叫ぶジョンファンの声が聞こえて来て私達は振り向いた
「あっ、ジョンファンお疲れ」
JF「あ、Aも一緒に居たんだっ」
「うん、一緒に帰ろうって話してたの」
そんな私の言葉に上乗せする様に「早く帰ろうぜ」と部室に鞄を取りに行こうとするソヌに
「何言ってんだよ」なんて言いながらソヌの腕を引いたジョンファン
JF「今日は僕達が掃除当番だろ、
ソヌが居ないから探しにきたんだよ」
SN「え、あー…そうだったっけ」
JF「何がそうだったっけだよ本当…
ごめんA、一緒に帰れなくて」
「ううんっ、仕方ないよ」
「悪いっ」と手を合わせるソヌと申し訳なさそうな顔をしてるジョンファンに
「じゃあまたね」と言って体育館へと走って行く2人に手を振った
「はぁー…結局1人か」
今日は久しぶりに3人で帰りたいって思えた日だったのに、
そういう日に限って一緒に帰れないなんて私ってタイミング悪いのかな…
なんて、1人で校門へと歩き考えながら吐き出したため息。
いつもは1人で帰る事を苦には思わないのに、今日はなんだか寂しい気がする
“「Aちゃ〜ん!!」”
とぼとぼと歩いていると遠くの方から聞こえた声、
その声には少し聞き覚えがあって、私の体は一瞬固まった
SY「やっぱりAちゃんだっ」
「…先輩…」
わざわざ走って私を追いかけて来たらしく、ここまで来て息を整えてるスヨン先輩。
そんな先輩の制服のポケットからジョンファンがあげたストラップが見えて私は目を逸らした
SY「後ろ姿が見えて
Aちゃんじゃないかなと思って!!」
「あ…そう…なんですか」
眩しい笑顔で笑いかけてくれる先輩に、そんな言葉しか返せない私…
それは別にそっけなくしてるつもりじゃなくて、ただ…何て答えたらいいのか分からないだけ
SY「Aちゃん1人?
良かったら校門まで一緒に歩こう」
「…はい」
こんな事になるなら1人でさっさと帰ってれば良かったなんて、私の脳裏を霞める黒い考え。
先輩と2人っきりなんて、なんだか窮屈で息が詰まってしまいそうだ
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作者名：のん | 作成日時：2016年5月17日 21時
