来訪者 ページ10
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『…え?』
今、なんて……………?
「じゃあ、俺部活あるから。送っていけなくてごめんな」
頭にポンっと、優しく手を置いた彼は、
教室から荷物を取って家庭科室の方へ向かった。
ー途中、彼が階段を下るとき、こちらに手を振っていたが、
果たして私はそれに無事に応えられていたのだろうか。
.....
..
『……………』
好きだ。三ツ谷くんが好きだ。
どうしようもなく、大好きだ。
なんだあの顔。なんだあの優しさ。なんだあの言葉。
あのときの記憶が、帰宅した今でも頭の中をぐるぐる駆け巡る。
『………いっ、』
人差し指に、ぷくっと赤く腫れ上がる。
やばい、野菜切ってるときにも放心状態だった。
『………はあ、』
一旦、ぐつぐつ煮えてる火を止めて、絆創膏を手に巻き付ける。
『駄目だなあ、わたし』
三ツ谷くんのことが好きすぎる
ピンポーン
玄関のチャイムが鳴った
『はいはーい…』
この時間に来るとしたら、大体はわかる。
『青ちゃん!』
「ただいま、A」
幼馴染の青ちゃん、もとい乾青宗くんだ。
『部活お疲れ様!』
「今日の夕飯、何?」
『カレーにしちゃった』
「辛口がいい」
『用意してますよ〜』
「さすがA。風呂借りるね」
『沸かしてるから好きなタイミングでどうぞ』
別に同居しているわけじゃないんだけど、
青ちゃんは小さい頃からの幼なじみで、
昔からよく家に遊びにくる。
父親を小さい頃に亡くし、
母親は海外を拠点に仕事してるから、
青ちゃんはきっと気を遣ってくれてるんだと思う。
私が寂しい思いをしないように。
ちょっとぶっきらぼうだけれど、
根は優しい彼はそんなこと思ってるんだろうなあ。
『ふふ、土だらけ』
青ちゃんがお風呂入ってる隙に、
彼のユニフォームやタオルを洗濯する。
『今日も、お疲れ様でした』
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乾 青宗
高校2年生。2年C組の生徒。
Aの幼馴染。サッカー部に所属している。
可愛いAをできるだけ周りに知られたくなくて、
九井以外にはあまり紹介していない。
少年院に入っていた為、Aと同学年だが一歳年上。
長所: 信用している人に従順
短所: 我慢が苦手で喧嘩っ早い
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勝手にイヌピーをサッカー部設定にしちゃいました
なんなら、他のキャラも部活やらせたいです( ¨̮ )
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ねこみや(プロフ) - めちゃめちゃてえてえくて好きです、、、😭!!!、、! (7月8日 15時) (レス) @page13 id: 3ca32de087 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:そら | 作成日時:2023年6月9日 20時