好きです、三ツ谷くん！ (ページ4)

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距離ページ4

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あの日からというもの、

『三ツ谷くん、おはよ！』

「村山さん、おはよ」

毎朝、三ツ谷くんへの挨拶は欠かさなかったし、

『三ツ谷くん、これ新発売のグミなんだって』

「あ、それ妹たちも気になってたやつ」

とりあえず話したくて、話題探す毎日だったし、

『三ツ谷くん、これってどうやるの？』

「ああ、これは…」

彼の得意分野を教えてもらったり。

『三ツ谷くん、』

『三ツ谷くんっ』

『三ツ谷くん！』

とにかく距離を縮めようと頑張った。

猛烈にアタックした。

けれど、

『三ツ谷くん、今日も大好きです！』

「はは、ありがと。村山さん」

彼はいつもお礼を言うだけだった。

同じクラスになれた奇跡を大切にし、
毎日彼に「格好いい」「好き」という言葉を
投げかけているが、見事に玉粋。

しつこいなって思われても三ツ谷くんの瞳に
私の姿が映ってることが嬉しくて。

もしかしたら振り向いてくれるんじゃないか、
__ なんて、淡い期待を込めて。

まあそんな期待、毎日折られてるんだけど。

携帯番号もLINEも交換していない。

知りたい気持ちもあるが、
あまりにしつこいと、優しい彼を
きっと困らせてしまうから。

そんなの、１番嫌だから。

...

.

『…あ、三ツ谷くんだ』

「はー？A、見つけるの早すぎ」

『ふふ、三ツ谷くんセンサーが発動してるの』

「…… こんな時でも発動するのは厄介だね」

教室から見える、中庭の様子。

昼休み、顔真っ赤な女の子といえばアレだろうな。

顔が真っ赤な可愛らしい女の子と、

背中をこちらに向け顔は見えない彼。

…あ、女の子走って逃げちゃった。

三ツ谷くんはモテる。

そりゃ、世界一優しくて格好良い彼だもん。

噂ではファンクラブ？親衛隊？もあるみたいで。

『可愛らしい女の子だったね』

「しぶとさと可愛さはAに勝る人いないと思うけど」

『…… ふふ』

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