好きです、三ツ谷くん！ (ページ12)

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落書きページ12

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「んで、ここが掛け算だから、…」

昼下がりの教室

ぽかぽか天気と、お昼休憩後で、
穏やかな空気が教室に流れている。

数式を説明している先生は、
なんだか呪文を唱えているみたいだ。

え？なんでこれがイコールになるわけ？は？

頭にはてなマークが浮かんだまま、
消化もしないため、どんどんハテナが溜まっていく。

… 三ツ谷くん、格好いいなあ。

彼の前の席の、クラスのお調子者くんはうつらうつらと
夢の世界に入りつつあるというのに、

三ツ谷くんはきちんとノートをとっている。

授業をきちんと聞く三ツ谷くんも問答無用で素敵だ。

ノートの端っこにミニ三ツ谷くんを描く。

えへへ。可愛い。被写体がいいからなあ。

『…………』

隣に髪が緩めの女の子を描いてみた。

それとミニ三ツ谷くんの手をくっつける。

うわあ、恥ずかしすぎる。

ただ絵を描いただけなのに。

恐らく真っ赤になったであろう熱く火照った顔を

冷ますように、手でぱたぱた仰ぐ。

… 現実世界ではきっと実現しないから、

せめて絵の中ではこの女の子に頑張って欲しいな。

なんて。ちょっと馬鹿みたいかな。

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