私には悪魔がついているⅡ (ページ5)

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『え、なにっ！？』
「うっさいわね、ちょっと黙ってよ！」

バタン、そんな音をたてて無常にもトイレの出入り口は閉じられた。
私は状況を把握しようと必死に目を開ける。
私の腕をつかむのは昼間の女の子だった。

「田中Aでしょ」
『そうですが、あたなは昼間目黒さんとお話ししていた…』

そういえば目を鋭くした彼女。
どうやら怒っているらしい。

なんか面倒なのに巻き込まれたかも…

「いい気になんないでよね」
『いや、滅相もない』
「嘘！目黒さんに特別扱いされてるって思ってるでしょ」

特別扱い？そんなのされた覚えはない。
…いや、ある意味特別扱いというか特別いじめ扱いされてると思う。

ぐずぐずと何も答えないでいれば肯定と見られてしまったのか。

「調子乗んな」

平手打ちでもされるのかと思いきや。

『いった！！！』

ローキックで太ももをやられた。
やっば、痛！太ももが痛いんだけど！なんだこの女は！？

「目黒さんはあんたなんか女として見てないんだから」

ブラウンの巻かれた髪を鬱陶しそうにはらうと
腕を組みながら私を見た。

絶対私涙目だ。恥ずかしいし、ムカつく。

『いきなりローキックかまして何言ってんの！？』
「ダメですか？！」
『ダメに決まってんでしょ、痣になったらどうすんの？』
「狙ってやってんだから当たり前じゃない」

不敵に笑うこの女を本気でぼこぼこにしようかとこぶしを握りしめた。