私には悪魔がついているⅡ (ページ6)

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この女、……本気で腹立つ

『何か勘違いなさってませんか』

私は今にも右ストレートを繰り出しそうな手を
理性で保ち、目黒の笑顔を見習ってみた。

すると彼女はにこりともせずに…

「は？うるさいわよ、ブス」

ブス？今、ブスっていいました？
面識もないような女にブス呼ばわりされる筋合いないんだけど！

私はついにキレた。

『いい加減にしてください』
「はぁ？」
『私は目黒なんかと一切関係ないんだから！』
「ふざけんじゃないわよ！」
『勝手に勘違いしてローキックしてんじぇねえよバカ女！』
「ちょ今バカっていった！？」
『もう私を放っておいてよ！！』

叫ぶだけ叫ぶと私は乱れた息を整えるように大きく息を吸った。

目の前の女は呆気にとられて私を呆然と見つめている。
目黒の事で勘違いされてあげくローキックされるなんてお断りだ。

『もういいですか？私帰ります』

そう言い捨ててドアに手をかけた時。

.

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「キス、したくせに」

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『なっ』

彼女を振り返れば。
先ほどとは違い涙目になりながら私を睨みつけていた。

私の心臓は鼓動を早めていく。

やばい、見られてた？