情けなさ3up ページ3
窓の外。
重たい喑灰から振る白が青に溶けていくのをぼうっと見つめる、現実逃避だ。
見たくない、聞きたくないものから目をそらす。
こんなの気休めにもならないのに。
分かってても直視するよりかはマシで、壁にもたれかかって外を見ていた。
「ァ、ぁッ、お、申し訳、やめ、やめてくッ、あッ、ぁ、ぁぁッ!!!!やめてくれッ!!!!」
聞こえてきた甲高い声に胸が締まる。
肉が離れる生々しい音。
何かが砕けたような痛ましい音。
飛び散った赤い何かが窓の縁を汚す。赤黒い、穢らわしいものが肌を濡らす。
「誰が話すことを許した?」
「ッァ、ぁ、ぁっ!ぁぁ、もう、わけっ、なッっ!!!」
ぶちりと何かが千切れて、声のない悲鳴が響いた。
「…………………………」
平常心、平常心、考えたらダメ、見たらダメ。
おかしくなる
人じゃなくなる
ダメだ。見たら、ダメ。
だけど聞こえてくる尊厳を破壊する数多の行為から、目をそらすことなんて当然無理で。
薄っぺらい赤いような、白いような何かが窓に当たった。
速度を失ったそれ。
重力に従って落ちていく何かについたものが肉片だと分かったとき、一番に感じたのは喉を迫り上がる気持ち悪い吐き気。
どうにか抑えようと思ってたのに。
口を抑えて窓から離れる。
「ぅあッ……ぉ゛…」
腹の奥から何かが戻ってくる、込み上げてくる。
臭い何か。気持ち悪い何かはたぶん、今朝食べた朝食。うずくまって壁に寄りかかる。
「?………………まったく、相変わらず弱いねぇ」
弱いも強いもあるもんか。
そんな口答えすら出来ないくらい、気持ち悪い。
耳が取り込んだ静かな足音。自分の背で止まった彼は、静かに手を背に当てたと思えば上へ下へ。
「ゆっくり息を吸うんだ」
首を横に振る。
「………………お前たち、徹底的に、分かったね」
腹に回った手にぐっと口を押えた。
戻す、戻す!!ばたばたと手を退けようと暴れるわたしの耳元で彼は嘲笑うように吐き捨てる。
「ここで戻したくないんだろ?まぁ、僕は別に、この場で君が吐いたって構わないんだけど……ねぇ?」
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創造者 - えっ!終わり⁈ (5月4日 9時) (レス) @page8 id: 911abfc5cd (このIDを非表示/違反報告)
suki(プロフ) - おいのさん» (∩´∀`)∩ (11月10日 22時) (レス) id: a5a75fd5fc (このIDを非表示/違反報告)
おいの - え、いや?ん、ん?え、ウマっえ、え、s好き (11月3日 7時) (レス) @page6 id: e1a3f3b1e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時:2023年10月25日 23時