【男主】魔王さまお逃げなさい！【BL】 (ページ5)

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第3話　～欝現実にさようなら～　ページ5

春尾 Aside

憂鬱な4月下旬
やっぱり独りぼっちだったボクは
案の上、
机に突っ伏していた

クラスの中では
早くも派閥ができ、
ボクには立場がなかった

まあ、いじめられない為には
このクラスの中心人物に近づかない事だと心に決めたその翌日

ボクは何故か
このクラスの……いや、
この学校の中心人物『若騎騎士』に薄暗い中庭で押し倒されていた

中庭といっても
都心の学校らしくコンクリート
そのコンクリートがボクの恐怖を煽る

ボクは、何もしていない筈だ
何もしていない………

『どどどどどど、どうしt...』

『Aの事好きだったんだ』
いきなりの愛の告白
………人生初めての貴重な甘酸っぱい思いd....
いや、相手が男な時点で終わってる気が……
考え込むのを止め、
ボクを押し倒す騎士くんに目をやるとぱりっと糊のきいた白シャツを脱ぎ始めていた

『え…………？？？』
『え…………？？？』

『『え………………？？？？？？』』

『先っぽだけ、
先っぽだけだから！！！』
『いやあ"あ"あ"ぁぁぁぁ？？！！』

まさか本当に
"先っぽだけ"という男がいたとは…！！

だが、その前にBAD ENDのフラグをへし折る為にボクは人生の分まで体力を使い逃げ切った

＊＊＊

また、ある日の昼休み
ボクがボッチで机に魔法陣や呪租を書いていると
胸に妙な感触があったので自分の胸を見ると後ろから伸びる手から酷く強引にそれも妙に気持ちいい程度に揉まれていた

後ろを振り向くと
案の定、騎士くんで………

ボクはなき叫びながら
トイレにこもった

嫌な記憶が………
いや、まぁ好意を持って接してくれてるのは嬉しいけど(チョロイン確定乙)

妙に気持ちよかった記憶が甦る
騎士くんは現実世界でも、
破格のチートだったんだから異世界にはやってこないだろう

良かった
危うくは、男にガン掘りされるところだったとため息をついて自分を労う

『まぁ、騎士くんが異世界にきてもどうせ村人Aだろ………』

そう安堵していると魔王城城内が騒がしい
使い魔を呼び寄せ、
『何事だ?』と問うと異世界から新たな騎士がやって来たらしい
たかが騎士かというと、
それも騎士の中の最上級『剣聖』らしく魔王城城内から見渡す広大な大地に散らばるちっぽけな村………
まあ、大都市だが其処から大歓声が聞こえてきた