好きになった ページ26
『違うって……。
そんなわけないでしょ。私はやめた方が…』
四人の言葉を、否定せずにはいられなかった。
私がやめた方がすとぷりは良くなる。
そんなことを本気で考えていたからだ。
でも、風谷が首をふる。
風「駄目だよAちゃん…。
それじゃリスナーさんが悲しむよ?Aちゃんはいつもリスナーさんを一番に考えてるじゃん!」
『………!』
風「話せば誤解は解けるよ。Aちゃんのリスナーさんはちゃんと君のことわかってくれる人ばっかだし」
『そ…れは…』
風谷に続き、鳥乃も口を開く。
鳥「ていうか炎上の写真、アレ山田だろ?顔は隠してあるけど。
山田変なヤツだけどきっと許してくれるって!www心配すんな!」
『……………。』
二人の言いたいことは分かる。でも。
『…メンバーの六人に合わせる顔がないよ。あんな酷いことして』
もし私が六人の立場だったら、あんなことされたら嫌っちゃうと思うから。
それが、怖い。
月「…へぇ」
『何よ?』
月「貴方が思う六人は、そんなに薄っぺらい人たちなんですか?四年も一緒に活動してるメンバーを簡単に嫌うような、そんな軽い」
『っ……!!
ち、違う!!!!』
月丘の問いに、思わず大声でこたえていた。
『違うっ!!六人は薄っぺらな人じゃない!!!
リスナーのことも私のこともちゃんと大切に想ってくれてるし!!』
そう言い切ると…
ふ、と月丘が微笑んだ。
月「ほら。自分でちゃんと知ってるじゃないですか。
勝手にやめたら、それこそ酷いですよ?」
『っ……………。』
彼の言う通りだった。
花「…ね、Aちゃん。ちゃんと六人と仲直りして?」
『えっ…』
花「僕もすとぷりすなーとして、Aちゃんが抜けたら困るし悲しい。
…でね、僕らはAちゃんがすとぷりに入る前から、歌い手として応援してたからわかるよ。
六人と歌ってる君が一番楽しそう。輝いている」
『……………!』
花「だから抜けたりなんかしないで」
…。
…。
『…もう、さすが四天王だな』
「「「「………!」」」」
『ありがとう。頑張ってみる。
あと今回のことが片付いたら』
私はふっと笑う。
『…A公式四天王リスナーにしてあげるよ』
風「え………!」
『本当にありがとう。
私、行かなきゃ』
そう言って帰り支度をする私を、四年は柔らかい目で見てくれた。
鳥「頑張れよ!」
『うん!!!!』
…もう目が覚めた。逃げたりなんかしない。
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りんか - とても面白かったですっ!神作品ありがとうございます! (2023年4月7日 13時) (レス) @page41 id: 53d92e9e1c (このIDを非表示/違反報告)
シャーペンの芯(プロフ) - あまねさん» コメントありがとうございますーー!!大好きだなんてとても嬉しいです…!!私も大好きでs(((( (2021年12月21日 22時) (レス) id: 37f133a8ec (このIDを非表示/違反報告)
あまね - 「シャーペンの芯」さん、大好きでーーーーーす!素晴らしすぎまーーーーす!他のお話も楽しみにしてまーーーす(o・ω・o)初コメ、失礼しました…。 (2021年12月4日 14時) (レス) @page41 id: 85362d7a8a (このIDを非表示/違反報告)
シャーペンの芯(プロフ) - このはさん» コメントありがとうございます!二作も見てくれたなんて…!感謝です。 (2021年10月31日 22時) (レス) id: 37f133a8ec (このIDを非表示/違反報告)
このは - 作品が終わった後だけど、凄くよかったです。2作品見ました。 (2021年10月30日 20時) (レス) @page37 id: 063a51fae3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シャーペンの芯 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/syapennosin/
作成日時:2020年11月18日 17時