黒担当は、小悪魔ちゃん２【stxxx】

期待 ページ24

『はぁっ、はぁっ……』

繁華街から離れた小さな住宅街。

雨でびしょぬれの私は、ようやく足をとめた。



…私、最低だ。

せっかく六人が心配して来てくれたのに、『帰って！』なんて無神経なこと言って。

突き飛ばすようにその場を去って……。

『…馬鹿だ。大馬鹿だ。私の馬鹿野郎』

…きっと私は、六人に“期待„してたんだ。

「炎上なんてきにしなくていいよ」、「話したら誤解は解けるよ」、

「誰がなんといおうと、Aのこと好きだよ」

…って言ってくれるんじゃないかって。

何でそんなわがままで自己中で欲しがりなんだろう、私は。

勝手に期待して勝手に突き飛ばして。

『せっかく＿＿＿＿への恋心を認められるところだったのに…』

どうして、こんなことになっちゃったんだろう。



そんなことを考えながら、家から出るときに持ってきたスマホをひらく。

メンバーや山田からのライン、電話がたくさん来ていた。

…山田にはあとで謝っておこう。

私はすとぷりのグループラインを開き、メッセージを送った。

【私、鍵閉めずに出てったよね。お風呂とか使ってもいいから、今日もしだったら泊まって】

びっくりマークやスタンプもつけない無愛想なメッセージを送ったあと、なんとなくスマホの電源を切った。



『うっ……ぐずっ…ううっ……』

すると急に心細くなってきて、涙があふれる。

嗚呼、私ってなんでこうなんだろう。

こんなのただの赤ちゃんじゃん。

…私、どこから間違ってたの？

わからない。

わからないから何もできない。

何もできないから、泣く。

情けなくて寂しくて、泣く。



そうしてどれくらい経っただろう。

突然、私の頭上に傘がさされた。

『え……？』

「＿＿＿＿そんなところに居たら風邪引くよ、Aちゃん」

聞き覚えのある声がして、思わず振り向く。

すると。

『え……、花野？』

「どうしてこんなところにいるの？」

＿＿＿＿＿高校時代の同級生兼私のリスナーで四天王

王道王子様系イケメン……flowerこと

花野がいた。

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