【ヒロアカ】スカートの中から始まった感情【轟焦凍】 (ページ34)

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「轟君が、何を思って僕に勝つって言ってんのかは解んないけど……そりゃ君の方が上だよ。」

次に聞こえて来たのは緑谷君のネガティブな言葉。
相手は緑谷君だったって事…？

尚更、何故か解らなくなって来る…

「実力なんて、大半の人に敵わないと思う。客観的に見ても…」

「緑谷もそう言うネガティブな事言わない方が…」

続けて言う緑谷君に切島君がフォローを入れる声が聞こえた。
私はどうすれば良いか解らなくなって壁を伝いその場にしゃがみこんだ。

「でも！……皆、他の科の人も、本気でトップを狙ってるんだ。
　最高のヒーローに。後れを取る訳にはいかないんだ…」

その時、緑谷君の真剣で何処か前向きな声が聞こえた。

「――僕も本気で獲りに行く。」

頭に浮かぶ感想は”凄い”と言う言葉だけ。
語彙力の欠片も無いけれどただそう思ってしまった。

数秒後、ガチャリッと扉が開く。
その音に咄嗟ながらも驚き顔を上げた。

そこには轟君が立っていた。

でも私に気づかず彼は去って行く…

「(やっぱり、変だ…)」

憶測は少なからず推測へとその信憑性を上げた。

訓練中、制御が雑だったりする事はあっても…
轟君は気配に気づかない程慢心している訳じゃなかった。

その気配が私だったら尚更気づくはず…
実際に私は若干ながらも声を出して戸惑った。

それでも気づかないのは他に注意が言っているから…

「(一体、何が…)」

遠くへと離れて小さくなって行く轟君の背中。

その光景に私の胸の奥では少なからず痛みが生じた。