02→お手伝い ページ3
「ヒーロー科のお手伝い…ですか？」
衝撃的で印象に凄く残る入学式から少し経つ。
けどあの左右非対称な彼とは会う事はあれ以来無かった。
元々サポート科は研究やらなんやらで篭る人が多い。
私も例外では無く入学式からずっと研究に集中していた。
それも会う事の無かった理由の一つだろう。
ただのそんな日々が続く中で、あるイベントが起ころうとしていた…
「あぁ、そうだ」
突如ヒーロー科の担任である相澤先生に呼び出された私。
何かと思えばその内容はそのヒーロー科の手伝い。
きっと私の個性から適任だと思われたのだろうか…
「具体的には何を…」
「ヒーロー科、主にA組生徒のケアだな」
私の個性”植物”は多様な植物を使う。
だからこそ人を癒す事も治す事も出来る。
無論、殺めてしまう事もだ…
”ケア”とは広い意味では世話や配慮…
気配り、手入れ、メンテナンスなどをすることを指す。
確かに出来ない事では無いけれど……
「どうして私なんでしょうか？治療ならまだ解りますが…」
「この期間でクラスからの評価も良かったからな。
そんな植包ならA組ともすぐ馴染めると思ったんだ」
先生、多分それ皆が面倒で押し付けたんだと思います…
例え本当でも正直それしか考えられない捻くれた性格ですよ私。
「そ、そうですか……じゃあ、出来る限りの事をやってみます」
かと言ってそれを断れない性格なのも事実。
解っていても私はそれを承諾してしまうのだ。
「じゃ、今日の放課後に職員室な。遅れない様に」
「はい。では失礼します」
職員室から出てから早歩きで研究室へと向かう。
そして――
「はぁ〜…」
研究室へと着いた直後に溜め息を吐いた。
サポート科はノルマさえクリアすれば基本的に自由。
大概の人は学校側の用意した工房で作業している。
私の場合は皆と少し違う為工房では無く研究室だ。
皆と私はサポートなのは代わり無いけれど根本的には違う。
私は精神と身体へのサポートつまりはケアに近い。
今更、考えてみれば私にとってはかなり勉強となる役を任された。
その事を考えてみると先程の溜め息を飲み込みたくなる程嬉しい事だ。
「(ヒーロー科、か……)」
どんなクラスなんだろう…
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作者名：自宅警備員先生 | 作成日時：2017年10月16日 18時
