【ヒロアカ】スカートの中から始まった感情【轟焦凍】 (ページ2)

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程良く暖かい太陽の日差しに、
まだ少し肌寒さを感じさせる春の風。

そして風に乗って空を舞う桜の花びら。

「(まさに入学式日和…！)」

気合を入れて編み込んだ髪と、
真新しいスカートが風によって揺れる。

弱い風は頬を撫でる様に一吹きすると更にまた弱くなった。

私は一度深呼吸をして今日から通う国立雄英高等学校の門を潜った。

□

何があるかと期待していれば入学式は普通。

強いて言うなら私の通うサポート科の人達が
個性的な人ばかりだと言う事だろうか？

「(それにしても生徒が少なかった気がする…)」

そう思っていたよりも…
だから多分思い過ごしだと思うけど。

私は性格上心配性な為から個人的に先生に質問していた。

なので今校舎に居る生徒は私と後は数えれる程度だろう。

そのせいか朝と打って変わって静かな靴箱で、
そんなたわい無い事を考えながら靴を履いていた。

早く帰ろうとそそくさに履いてから、
軽く走りながら太陽の下へと出て坂を下り始める。

その時だった――

勢い良く風が吹き、髪もスカートも靡いた。
それどころかスカートは風によって捲り上げられる。

「「ぁ……」」

その時、紅白頭の男子生徒と思いっきり目が合う。

はっと思考を取り戻して急いでスカートを抑えたものの、もう後の祭りだった。

「……わ、悪りぃ…」

髪と同じく左右非対称の色をした目がその一言と共に逸らされる。
それと同時に私は顔が沸騰するかの如くふつふつと熱くなって行く。

「(み、見られた…)」

人っ子一人居ない為から油断していた。

「……こ、こちらこそ…すいませんでした…」

私は走ってその場から逃げた。

しかしながら私に駅まで走れる体力無い。
故に暫くして息切れを起こした。

でも、それよりも先程の出来事が衝撃的すぎて…

そしてかなりショックすぎて…

「(明日、学校休みたい…)」

既に学校に行きたくない気持ちでいっぱいだ。