14→仕事はしっかり。 ページ15
「(緑谷君以外目立った怪我は無い、と……)」
掠り傷程度は確かにあったけどそれぐらいなら私でも治す事が出来る。
でもその緑谷君は手に負えない程に右腕がグチャグチャ…
自分からこの様な表現をしたのに何だか気持ち悪くなって来た。
こう言うのも慣れて行かなきゃいけないよね。
そう思いながら私はクリップボードに挟んだプリントを見る。
爆豪君はコミュニケーション能力が低いと言うより協調性に欠ける。
それに轟君は氷ばかりで炎使ってない…
その2点以外は特に気になる所は無かった。
強いてあげるならばお茶子ちゃんの緊張感の無さ。
峰田君がちょっとアレだったり、とか…
それと個人的に気になったのは緑谷君の個性…
自分の個性であれ程酷い有様になるものなの？
それとも彼が特殊な個性なのだろうか…
「(緑谷君、痛そうだったな…)」
せめて痛み止めぐらいあげれば良かったかな…
そう考えながら浮かぶのはロボに搬送されて行く緑谷君の姿。
プリントを保健室に届けに行くついでに様子を見ようか。
そう考えながら私はボールペンのペン先を収め胸ポケットに仕舞った。
このカチッて言う音に私はたまに癖になる。
けど今日はそれよりもヒーロー科の授業が凄くて気にならなかった。
「……凄かったな…」
「何がだ？」
「いえ、その何もかもが――っ！？」
思わず本音を溢すと誰かの声が聞こえた。
ぼーっとしたせいかその言葉に私は返事をした。
しかしながらその相手が轟君と気づいた瞬間思いっきり舌を噛んだ。
ただ舌を噛んだ事で叫ぶ事は無かった。
それだけは幸いと言えただろう。
痛いけど…
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作者名：自宅警備員先生 | 作成日時：2017年10月16日 18時
