世界の果てまで。【カントー地方編】 (ページ33)

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カントー地方　№29　祝！お気に入り10人！ページ33

Aはため息をつき、ぼそりと言葉を漏らす

『……この方法はあんまりやりたくなかったんだけど…』

レッド「……？」

決心したようにロケット団を睨んだA

フシギソウも、これから何を言われるのか分かっているかのように指示を待つ

『……フシギソウ、自分に(・・・)つるのムチ』

「何…？！」

フシギ「ソウｯｯ！」

フシギソウはギュッと目を瞑り自分の額にムチを打ち付ける

バチンッと痛々しい音が響いたが、痛みのおかげで眠気は覚めた

ポケモンを人一倍大切にしているAがこんなことをするとは思わなかったのか
レッドは目を見開いている

『眠気が覚めればこっちのモンだ！フシギソウ、はっぱカッターｯｯ！！』

フシギ「ソ―ウｯｯ！！！」

フシギソウはありったけのはっぱカッターお見舞いし、スリープにトドメを刺す

下っ端は自分のポケモン達がいとも簡単に倒されたことにも驚いているが
何よりもはっぱカッターとは思えない威力を出したフシギソウにも驚いていた

「クソッ、……！！」

？「……グルル…」

視界の隅でガサガサを動く茂み。中に入っていたのは＿＿＿＿

「っコイツに傷をつけたくなければ、さっさとここから立ち去れ！！」

『ろ、ロコンｯｯ！！！』

ロコン「コォンｯｯ」

＿＿＿ロコンだった。いつの間にかレッドのそばから離れていたようだ

茂みから飛び出して下っ端に攻撃をしようととしたのだろうか

しかし、ロコンの赤毛は茂みの中では目立ってしまい、見つかってしまった

『ロコンを返せ！！』

「返せって言われて返す悪党なんていねーよ！！」

『っ…ロコンｯｯ……！』

フシギ「ソ゛ウ゛～…」

今、Aの頭は非常に混乱している

ここから立ち去ったとして、下っ端が返してくれる保障なんてどこにもない

下手に動いてもロコンに被害が及ぶ。まして、ロコンは数日前に生まれたばかり

トラウマを植え付けたくないのがAの本心だ

ロコン「コオォン」

『どうすれば……っ』

ロコンが必死に前足を伸ばして助けを求めている中、Aは動けずにいた

そんな時、優しい手が右肩に触れる

レッド「大丈夫、助けるから」

レッドはそう言って自身の帽子をAに被せ、相棒と共に下っ端の前に出た

その目は怒りに満ちている

レッド「返して。その子は僕の大事な人のポケモンなんだ」