世界の果てまで。【カントー地方編】 (ページ30)

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カントー地方　№26 ページ30

ジムが終わると、空は茜色に染まっていた

『さて、ジムも終わったことだし、ポケモンセンターに戻りますか！』

レッド「うん」

ピカ「ピカピ！」

アブ「グルル！」

ジムリーダーカスミのことを話しながら歩き、ポケモンセンターに着いた時、ジョーイが慌てて
Aに話しかけてくる

ジョーイ「大変です、Aさん！卵がもうすぐ孵化しそうなんです！！」

『はい！？今行きます！！』

アブ「ホルワッ」

＿＿＿＿＿

＿＿＿

＿

ポケモンセンターの奥に入ったとき、卵はもう殻はピキピキと音を立て、割れ始めていた

『うぁ～……あと少しぃ…』

アブ「ウ゛ァ～…」

レッド「…そんな顔で見たらだめ」

思いっきり眉を寄せて卵を見つめていた二人

そんな顔を生まれたてのポケモンが見たら一秒で人生終了するよ()

レッドに引っ張られた二人は、仕方なく距離を取る

『ぁ……』

Aが小さく声を上げた時、卵は完全に割れて中からポケモンが姿を現した

大きな耳に大きな黒い目。さらに、真っ赤な6本の尾＿＿＿＿

『＿＿＿ロコンだ…』

ロコン「コォン……？」

そう、卵から孵ったのはロコンだったのだ。ロコンは大きな愛らしい瞳でAを見つめている

Aは思いきり抱き締めたい衝動にかられるが、生まれたてなので我慢して
ロコンの手前にしゃがみ込む

『初めまして、ロコン。私はAで、こっちはアブソル。よろしくね？』

アブ「ホルワッ」

ロコン「……コン…」

初めて見た人間に、ロコンは少し不安そうにしながらも、卵の時から面倒を見てくれた

Aの雰囲気と優しい眼差しを覚えているのか

おずおずと自分に向けられたAの手に自分の手を重ねた

レッド「ぁ、ピカチュウ待って」

ピカ「ピカチュウ！！」

ロコン「コンｯｯ！？」

『おっと？？』

レッドの制止を無視してロコンに元気よく挨拶したピカチュウ

ロコンは臆病なのか、ピカチュウの元気な声を聴いて飛び上がると、Aの胸にダイブした

ピカチュウは拒絶されてこの世の終わりのような顔をしている

ピカ「ピカ……」

レッド「、そっといかないと」

『アハハ……初めて見るものばかりだから、怖いのかも』

アブ「グルル？」

ロコン「……」

ロコンは変わらずAの胸に顔を埋めてしがみついていた

レッドはその光景を羨ましそうに見ていたとか……？