世界の果てまで。【カントー地方編】 (ページ23)

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カントー地方　№20 ページ23

Aがゴールデンボールブリッジで誕生させた伝説。それは……

「全てのポケモンを一撃で倒す最強美人トレーナー」だ

ブリッジにいたすべてのトレーナーとポケモンが目を点にしてAを見つめる中

当の本人はウッキウキのルンルンで橋を渡り切った

渡った先では、ブリッジの管理者だろうか？トレーナーがいる

「お見事ーッ！五人抜きおめでとう！商品にこれをプレゼントしよう！」

『これ、きんのたま？有り難うございます』

にこにことAはトレーナーから商品を受け取るが、その笑みは貼り付けである

謎過ぎるこのトレーナーにきんのたまという、超高価な物を貰って警戒するなと言う方が無理な話だ

そこに、同じくトレーナを倒し切ったレッドもやってきた

『ねぇ、なんか怪しくない？？』

レッド「……怪しい」

『だよねっ！』

レッドもきんのたまを貰っため、ものすごく怪しんでいる。とうとう二人は小声で会話をし始めた

それが聞こえていないのか、トレーナーは嬉しそうに話を続けた

「ところで…ここだけの話、ロケット団に入らない？」

『(またそれ…)』

「俺たちはポケモンを悪いことに使おうってグループだ！入りなよ」

“ポケモンを悪いことに使う”これを聞いたAは、殴りかかりそうになるのを必死に耐えた

『嫌です』

レッド「……僕も」

Aの怒りに気付いたレッドは、不安そうにしながらも一緒に断る

別に、Aは何処かの主人公気取っているわけではない

むしろ、そんないい子ぶっているのは嫌いな方だ

ただ、自分の大切なものを悪いことに使うのは、誰だって許せないだろう

「入らないの？」

『今断ったはずですが？』

「いやいや、入ってよ！」

レッド「………嫌です」

「入れよ！」

結局最後には口調が荒くなり、命令するかのように脅す男

あまりにもしつこい奴に、とうとうAの堪忍袋の緒が切れたのか

こっそりとモンスターボールを用意した

「……これだけ言っているのに断るのか。それなら…！無理矢理入れてやる！」

レッド「……」

『待ってレッド。今回は私がやる』

そういって取り出したのは、最強の相棒であるアブソルのボール

目が本気なことを語っているAに、レッドは潔くボールをしまった

「舐めやがって……いけっ！アーボ！！」

『一撃で決まるよ。アブソルッ』

両者はポケモンを繰り出した