【ドラクエ8】呪われた姉と聖なる弟 (ページ36)

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part82 ページ36

「ふぅー……」

「ずいぶんお疲れのようでがすなぁ、アルヴァス」

「まぁ、ね。
まったく、何を考えているのかがわからんな。
神聖なる王者の儀式に兵を同行させるなんて…」

“まったく、どこまで甘やかす気なんだか…”
腕を組んでまた溜息を吐く彼に
エイトたちは顔を見合わせた。

「なあ、アルヴァスは
この国の人に拾われたのか？」

「あ？ああ。
まだ王子だったクラビウス王にな……」

「え？それじゃあアルヴァスも王族なの？」

「いや。
あの人は俺のことを
家族となんざ思ってねえさ。
精々、使用人程度だろ。

現に俺に対して扱いが雑だからな。
あの孤児院だって国からの支援もなく
俺が稼いだ金で建てたものだし」

“俺に対する愛なんざ一欠片もねえんだよ”
そう、諦めたかのように呟く彼は
あの朗らかな雰囲気はどこにもなく
弱々しく溜息を吐いているが
エイトたちに心配そうに見つめられていることに、気付きいつものようにニッと笑った。

「さ、無駄話はここまでにして
さっさとあのバカ(王子)を探そうぜ。
あいつの隠れる場所は大体わかってるからさ」

明るい笑顔を向け、
エイトたちをとある部屋の前へと案内した。

「幼子とのかくれんぼで絶賛連勝中の
アルヴァス様から逃げようだなんて
100年通り越して1000年早いってぇの。」

アルヴァスはニヤリと笑い、
そっと耳を澄ませば
中から甲高い男の声が聞こえてきた。

「よし、ここだな。」

「おいおい、アルヴァス。
なんかすげぇオーラ出てんだけど」

「あ？気のせいだ、き、の、せ、い。
さぁて、確かの部屋の上は……
トカゲが出てるんだったな」

「トカゲ？」

「理由はあんまり知らないが
チャゴス王子は大のトカゲ嫌いでな。

王者の儀式にはトカゲに似たアルゴリザードが相手になるから逃げてるんだよ。
たくっ、根性のねぇ野郎だぜ」

「なんだかアルヴァスって
予想以上に黒いでがすな……」

アルヴァスからはとてつもなく黒いオーラが放たれていてエイトたちや、周りにいる兵士たちもビクビクと怯えていた。

「さぁて、ここは鍵がかかっていて密室状態。
そして、この部屋内にトカゲが落ちてきたら
どうなるかねぇ……」