検索窓
今日:5 hit、昨日:52 hit、合計:281,356 hit

128話 ページ35

乙骨と話しているであろう皆のもとへ歩を進める。
そんな私の後ろを()いてくる夏油。



「…あぁそうだ。私にはずっと見えてるけど、皆の前では知らんぷりするからね」



立ち止まらずに振り返る。
幽霊と話してるなんて言ったら頭のおかしいやつって思われそうだ。

夏油の霊は若干透けているというか…ブレてる?
そして声にも壊れたラジオのようなノイズがかかっている。



「あと、当たり前だけど私以外には視認できない」

「…だろうね。君と会話出来るだけ贅沢だとは思ってるよ」



本来ならここで終わる筈の夏油。

「夏油傑」は確かにここで終わったけど、夏油の物語(・・)はまだ終わっていない。

かといって、私が意思を継ぐなんてことはしないけど。


話を聞きつけたのか出向していなかったのか、さっきから数名の呪術師とすれ違う。

その人たちも、私は見えているが夏油に目を向けることはない。私以外の人の視界には一切映らない。



「変な気分だな」

「私も非術師の目には見えないし、気持ちは分からんでもない……

…ん…? 夏油、どうした?」



夏油の足音が途絶えたので振り返れば、立ち止まって後ろを見ていた。



「……なんでもない」

「なんだよ、教えろよ」

「いや…今すれ違った額に縫い目のある術師、気配がおかしい気がしたからね…気のせいだろう。忘れてくれ」

「……ふーん」



おっと????????


まっっっっっったく気付かなかったが、それ多分羂索では??????流れ変わったな


もしかして今から夏油の肉体を乗っ取るのか??

それとも処理する時に奪うのか。

どちらにしろ、思っていたより行動が早い。


しかし推しとすれ違って気付かないとは何事だ。
行きたくてうずうずしてしまうが、夏油連れてるので無理ですね。



「額に傷ねぇ……」



とりあえずポーカーフェイス、ポーカーフェイス。



「気になるなら行けばいい。気のせいだと思うけどね」

「……いや、いいよ。何もしてこなかったなら敵ではないんだろうし」



たとえ夏油の姿じゃなくても、心の準備は出来てない。

まだちょっと、気付かないうちにすれ違ってたくらいの距離感で。



とりあえず落ち着き、あまりの動揺で止めていた足をまた動かす。


こんなんでもいずれ、会って話すときが来るんだよ……

129話→←127話 -霊-



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (304 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
574人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

翡翠(プロフ) - とぅにさん» なんのことかと一瞬考えましたが吉田ですねwwちょくちょく別作品キャラおります。 (7月3日 2時) (レス) @page22 id: 5d748230e5 (このIDを非表示/違反報告)
とぅに(プロフ) - ヒロフミくん出てきてびっくりしました☺️☺️ (7月2日 23時) (レス) @page21 id: 76d074d926 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - 水泳進化人さん» コメントありがとうございますm(_ _)m返信遅れて申し訳ないです。自分が読みたかった話を書いて、好きだと伝えてくださる方が多く、私と同じ方が他にもいたんだなととても嬉しく思います…!! (2022年3月3日 20時) (レス) id: 5d748230e5 (このIDを非表示/違反報告)
水泳進化人(プロフ) - 好きです。 (2022年2月25日 14時) (レス) @page40 id: 30ca69ad2f (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - 雪さん» コメントありがとうございますm(_ _)mとても嬉しいです! (2022年2月7日 22時) (レス) id: 5d748230e5 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:翡翠 | 作成日時:2022年2月3日 2時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。