116話 ページ23
「いやいや、君も強者の立場なんだから分かるだろ?
万物の霊長が自ら進化の歩みを止めてるわけさ。
ナンセンス!!」
こういう時の夏油は話が通じない。
諦めてため息をつき、二人から離れた。
別に追い払ったりはしない。
あくまで原作至上主義なので。
「そろそろ人類も生存戦略を見直すべきだよ。
だからね、君にも手伝ってほしいわけ」
「? 何をですか?」
乙骨は最初からずっと緊張感の欠片もないが、まあ夏油とは初対面だししょうがないのかもしれない…にしても夏油の胡散臭い雰囲気は変わらずだけど。
一方で三人は夏油の素早さを見てから逆に手が出せないでいる。
じゃあさっきの私空気読まなすぎで草。
「非術師を皆殺しにして呪術師だけの世界を作るんだ」
みんなが目を見開く。
私は知っていたから驚かない。
めちゃくちゃだけど、夏油の言ってることは尤もだ。
確かにそうすれば呪霊が新しく生まれることはないけれど、ところでその世界に私は存在してもいいですか?
「僕の生徒にイカれた思想を吹き込まないでもらおうか」
五条が少し離れたところから制止の声を上げた。
五条、及び準一級以上の呪術師がようやく集まった。
学長、冥さん、ナナミン、伊地知さんとか知ってる顔と知らない顔。
そういえば学長初対面じゃんなんでだよ。後で挨拶しようか。
いや猪野くんいるじゃねぇか二級だろ彼。
「悟ー!! 久しいねー!!」
「まずその子達から離れろ、傑」
笑う夏油とは裏腹に、感情の起伏がない声で言う五条。
名前呼びいいなぁ。
私が傑って呼んだら怒られそう。
私はお邪魔虫なので、とりあえず学生や夏油のいる位置から離れて静観を決め込むことにした。
ミミナナにチョコレートを投げたらちょっと嬉しそうに受け取ってくれた。期待してたな。
「今年の一年は粒揃いと聞いたが、成程。君の受け持ちか」
ずっと乙骨と肩を組んでいる。
「特級被呪者、突然変異呪骸、呪言師の末裔、そして…」
順番に乙骨、パンダ、狗巻。
夏油は次いで真希ちゃんを見る。
心から蔑んだ表情で。
「…禪院家のおちこぼれ」
「テメェ_」
真希ちゃんはそんな夏油にキレるが、夏油は更に冷たい視線を向ける。
「発言には気をつけろ。君のような猿は私の世界にはいらないんだから」
ちょっと私もイラッとしたが、ここで手を出すことは出来ないのでグッと堪える。
…いや、舌打ちは抑えられなかったけど。
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翡翠(プロフ) - とぅにさん» なんのことかと一瞬考えましたが吉田ですねwwちょくちょく別作品キャラおります。 (7月3日 2時) (レス) @page22 id: 5d748230e5 (このIDを非表示/違反報告)
とぅに(プロフ) - ヒロフミくん出てきてびっくりしました☺️☺️ (7月2日 23時) (レス) @page21 id: 76d074d926 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - 水泳進化人さん» コメントありがとうございますm(_ _)m返信遅れて申し訳ないです。自分が読みたかった話を書いて、好きだと伝えてくださる方が多く、私と同じ方が他にもいたんだなととても嬉しく思います…!! (2022年3月3日 20時) (レス) id: 5d748230e5 (このIDを非表示/違反報告)
水泳進化人(プロフ) - 好きです。 (2022年2月25日 14時) (レス) @page40 id: 30ca69ad2f (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - 雪さん» コメントありがとうございますm(_ _)mとても嬉しいです! (2022年2月7日 22時) (レス) id: 5d748230e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:翡翠 | 作成日時:2022年2月3日 2時