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107話 ページ14

「ツナマヨー!」

「おっ」



この場の低級呪霊を祓い終えて一息ついていると、狗巻が手を振りながら戻ってきた。

ん?

真希ちゃんがいない。



「真希ちゃんは?」

「高菜!! 明太子!!」

「え、なになに」



焦った顔で身振り手振り、廃墟の方を指すので少しびっくりする。

真希ちゃんになにかあったみたい。



「行ってくる。狗巻は先に外出てて」



もうこのあたりに呪霊の気配は無いので、一人にしても問題なし。

帳も上がるだろうから先に行っててもらう。
何があったか分からないけど、真希ちゃんは私が連れて行く。


狗巻が小走りで行くのを見届けて、すぐに廃墟へ向かった。


真希ちゃんの気配は地下にとどまったまま。
祓い終えてから動けなくなった?


ザリ、と大粒の砂利を踏んで中に入る。


薄暗い廃墟の中、地下へ繋がっている穴を見つけた。


階段や梯子のようなものは見当たらないので、穴から下に飛び降りる。



「っなんか刺さった…」



着地の瞬間、地面から出ていた鉄筋のようなものが足に刺さった。

痛みは無いにしろ気持ちの良いものではない。

靴に穴が空いてしまったが、なぜかいつの間にか治ってたりするので放っておく。



「真希ちゃーん!」



暗くてよく見えないので“鬼火”の式神を数体出して探す。

青い光に照らされて、奥の方に呪力の残穢を見つけた。

そのすぐ側の壁際に座り込む人影。



「Aか」



真希ちゃんだった。

私に気付いて立ち上がる。



「真希ちゃん、怪我してな……い、…」

「んな反応すんじゃねぇ。ちょっとヘマしただけだ」



驚いて立ち止まる。

鬼火で明るい私の方へ来た真希ちゃんに、怪我が無いか確認しようとしたところ__


服が盛大に破れていた。


タイトスカートは無事だが、上が弾けたように無くなっていたので腕で前を隠している。


だから出てこれなかったのか。

私はすぐ上を脱いで真希ちゃんに渡す。
中には何も着てないけど呪霊に性別は無いので大丈夫(本当か?)



「…とりあえずこれ着てて。怪我は?」

「あぁ、服だけだ」

「はぁ…よかった…行こう」

「でけぇなオマエの服…ていうかオマエは恥を持て」

「いいよ私は」



体格差があるせいでブカブカの服を着た真希ちゃんを抱え上げ、先に上に登らせる。

私は一人で上がる。



「棘は?」

「先行かせた」



帳は既に上がっていた。

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翡翠(プロフ) - とぅにさん» なんのことかと一瞬考えましたが吉田ですねwwちょくちょく別作品キャラおります。 (7月3日 2時) (レス) @page22 id: 5d748230e5 (このIDを非表示/違反報告)
とぅに(プロフ) - ヒロフミくん出てきてびっくりしました☺️☺️ (7月2日 23時) (レス) @page21 id: 76d074d926 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - 水泳進化人さん» コメントありがとうございますm(_ _)m返信遅れて申し訳ないです。自分が読みたかった話を書いて、好きだと伝えてくださる方が多く、私と同じ方が他にもいたんだなととても嬉しく思います…!! (2022年3月3日 20時) (レス) id: 5d748230e5 (このIDを非表示/違反報告)
水泳進化人(プロフ) - 好きです。 (2022年2月25日 14時) (レス) @page40 id: 30ca69ad2f (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - 雪さん» コメントありがとうございますm(_ _)mとても嬉しいです! (2022年2月7日 22時) (レス) id: 5d748230e5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:翡翠 | 作成日時:2022年2月3日 2時

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