検索窓
今日:19 hit、昨日:49 hit、合計:1,085,471 hit

36話 ページ42

「やる?」



直毘人さんはやる気満々、ならば私も全力でそれに答える。



「直哉に何をした?」

「魂もらっただけ。生き返るよ」



そう言うとなんとなく残念そうな顔をした。

直哉くん嫌われすぎで笑う。
私は面白くて好きだよ。


話が終わると、またピリピリした空気が走る。



「あ、あの禪院さん、この人は…」



伊地知さんは私達の間に入って止めようとする。



「知っている。先の話であった呪霊だな」

「は、そ、そうです、ですので…!」



けど、直毘人さんは殺気を引っ込めない。



「…本人抜きでなんの話をしてたのかなぁ」



私だって前触れなしに仕掛けることくらい出来る。

直毘人さんを死なない程度に蹴飛ばした。



「速さは負けるけど、重さじゃ負けないです」



廊下の壁に激突した直毘人さんは、袴を払いながら立ち上がった。

お腹を蹴ったので口から血が出ている。



「その割には貴様、手加減しているな?」

「まあ、呪霊本気で蹴って真っ二つにしちゃったことあるから…人間は死んじゃうから」



真人をこう、腰からバキッと。
効果音もう少しえぐかったけど。

そんなことしたら人間は死んでしまう。



「俺をそこらの呪霊と同一視するなよ」

「ぐうっ…」



腹を殴られてだらしない声を漏らした。

やっぱり速い。


“投射呪法”は、あらかじめ作った動きを後追い(トレース)する…みたいな。

よく理解出来てないんだけど、私側の視点だけで言うと、その術式発動中に触れられたら一秒フリーズしてしまう。

で、その作られた動きが速すぎるから…



「避けれそうにない」

「強いと聞いていたが、その程度か?」



直毘人さんは余裕こいて笑っている。

というかここは高専内。
さっきから衝撃で壁や床やらがバキバキになってきている。



「魂抜くだけが私の戦い方じゃないんだよ」



直毘人さんと目を合わせた。

“メデューサ”で石化、これは脆いのですぐ破られるけど問題ない。

“泥田坊”で沼と化した地面に潜り、石を破った後の直毘人さんの動きを“(くだん)”で先読み。



「重さじゃ負けないって言ったでしょ」



真下から飛び出して顎を蹴り上げた。



「ッッ!」



直毘人さんは廊下の向こうにぶっ飛んで、そのまま気を失った。



「特級を舐めないでほしい」



五条も直哉くんも直毘人さんも。


もし私が私じゃなかったら、みんな今頃生きてここにいないんだから。

37話→←35話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (638 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1492人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

翡翠(プロフ) - まるめんさん» ありがとうございます!めちゃくちゃ嬉しいです (9月9日 16時) (レス) id: dbd7e88ded (このIDを非表示/違反報告)
まるめん - 夢主イメージイラストうますぎません???お話も面白いです (9月9日 15時) (レス) @page19 id: 17d5d6def1 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - 茨の谷の第二王子さん» コメントありがとうございますm(_ _)mすみません、その作品は存じ上げないですね…! (2022年4月20日 15時) (レス) id: 5d748230e5 (このIDを非表示/違反報告)
茨の谷の第二王子 - 青龍、玄武、白虎、朱雀って「異世界で神獣にハメられました。」で見たぁ! (2022年4月20日 0時) (レス) @page33 id: d096c6aa19 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - ノアさん» コメントありがとうございますm(_ _)m一日一話がんばります! (2021年12月27日 19時) (レス) id: 5d748230e5 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:翡翠 | 作成日時:2021年11月15日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。