32話 -激怒、死闘- ページ38
「ありがと青龍」
地面に降りて背中をポンと叩くと、たちまち溶けるように消えていった。
「おかえり〜」
「ただいま」
真人はまだハンモックで読書をしていた。
「どうだった？ 呪詛師」
本から目を離さずに問われる。
私は九尾の狐に変化して尻尾に埋まるように座った。
人(呪霊)をダメにするクッションだ、これ…
「う〜ん、私がめちゃ強いって知ったら戦ってくれなかった。どうせ私が勝ってただろうし…人生楽しめてないなぁ」
「ふ〜ん、残念だったね。
俺ももうAとは実戦する気はないんだけど、Aはどうしたい？」
真人はハンモックから降りて私の尻尾にもたれるように座った。
もっこもこでハンモックより居心地がいいはず。
「私は
「はは、そんな奴と一緒にいるなんて実感わかないや。Aの強さは俺が一番知ってるけどね」
「ずっと一緒に戦ってたんだもん、そりゃそうだよ」
少し、過去のことを思い出す。
「ちょっと前までは、Aがこんなに強くなるなんて考えもしなかったのになぁ」
「最初のころね」
振り返って記憶を辿っていると、転生する前の世界であったことを思い出してしまったので、頭を振って忘れる。
死んでしまった私はどうしたって私が元の世界に帰ることは出来ないんだから、考えても仕方がない。
「…あ、なんかきた」
スマホがバイブしたのでポッケから取り出す。
通知には伊地知潔高の文字。
『伊地知です。突然の連絡申し訳ありません』
…から始まる業務連絡のようなメッセージ。
ちゃんとしてる。
「なんて書いてあった？」
「ちょっと待って〜」
つらつらと並べられる文章に全て目を通す。
「ふんふん、あ〜。
なんか、五条が目覚めた後ずーっと私を探してるらしい。五条ってさっき言ってた最強の術師のことね」
「恨み買ってない？」
「そうかも。だから助けてーって内容だった」
かなり要約したがそういうことだ。
行間を読むと、「五条が仕事しないからお前から会いに来い」と。
「どうする？ 行くの？」
「行くしかないっしょ。尻尾引っ込めるからどいて〜」
「はーい」
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翡翠(プロフ) - まるめんさん» ありがとうございます！めちゃくちゃ嬉しいです (9月9日 16時) (
レス) id: dbd7e88ded (このIDを非表示/違反報告)
まるめん - 夢主イメージイラストうますぎません？？？お話も面白いです (9月9日 15時) (レス) @page19 id: 17d5d6def1 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - 茨の谷の第二王子さん» コメントありがとうございますm(_ _)mすみません、その作品は存じ上げないですね…！ (2022年4月20日 15時) (レス) id: 5d748230e5 (このIDを非表示/違反報告)
茨の谷の第二王子 - 青龍、玄武、白虎、朱雀って「異世界で神獣にハメられました。」で見たぁ！ (2022年4月20日 0時) (レス) @page33 id: d096c6aa19 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - ノアさん» コメントありがとうございますm(_ _)m一日一話がんばります！ (2021年12月27日 19時) (レス) id: 5d748230e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翡翠 | 作成日時：2021年11月15日 1時
