20話 ページ26
私の腕の中で気絶している、この金髪に白い肌のクォーターイケメンに酷い傷を負わせた、あの特級呪霊。
私がもう少し早く来ていればこうはならなかったかもしれない。
一度そんなことを考えてしまうと、ふつふつと怒りと悔しさが沸いてきた。ぐぬぬ。
なんとか思いを晴らしたくて、適当な術式で廃校を炎上させた。
パチパチと燃える校舎を見ているとなんとなく気が楽になった気がした。
どうせここは少し前から立ち入り禁止になっているので人は居ない。
「わお。すごい呪力量だと思ったら、これ君がやったの?」
「ぉ、ぇ、びっくりした…」
いつの間にか私の背後に立っていたのは黒ずくめの目隠し男。
な、生五条悟…
今なら三輪ちゃんの気持ちが分かる。
すごく分かる。感激。顔が良い。目隠しだけど。
「七海重傷だねぇ」
「これは私じゃないよ」
「知ってる。あの炎と呪力の残穢が違うもん」
今の五条先生は例の黒いやつではなく、包帯を目隠し代わりに巻いている。
時系列はまだ0巻の前だからそれもそうだ。
レアだから目に焼き付けておこう。
「で、ちょっと着いてきてほしいんだけど」
多分虎杖にしたように私を気絶させようとしたのであろう、指を向けてくるのでつい“風神”で弾いてしまった。
バーリア!!
「あ、ごめん…怪我してない?」
無下限呪術で大丈夫なことは勿論知っているが、それを私が知ってるとおかしいので心配したフリをする。
「いやダイジョーブだけど。やるね、君」
目隠しの包帯をズラして、綺麗な六眼が露になった。
イケメン、顔が良い、めっちゃ綺麗。
飴玉みたいで美味しそう。
「そんな顔で見るな」
「照れた?」
「違うが?」
物珍しいものに興奮してるだけです。
「私のことはいいって。
ナナミン早く治療しないと死んじゃう」
「良くないけどね? うん、そうだね。まぁいいや」
「うわっと」
ナナミンごと小脇に抱えられてしまった。
その人腕折れてるから気をつけてほしいな。
「抵抗するなよ?」
「しないけど」
どうせどこかへ行くなら真人に伝えておかないと心配され…
ないか。真人のことだから。
でもとりあえず鳥型の式神を真人に向かわせておいた。
着けば自動でメッセージを伝えてくれる優れもの。鎹鴉じゃないです。
「飛ぶよ」
と言いきる前に景色が変わった。
「それ飛ぶ前に言うことだろが」
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翡翠(プロフ) - まるめんさん» ありがとうございます!めちゃくちゃ嬉しいです (9月9日 16時) (レス) id: dbd7e88ded (このIDを非表示/違反報告)
まるめん - 夢主イメージイラストうますぎません???お話も面白いです (9月9日 15時) (レス) @page19 id: 17d5d6def1 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - 茨の谷の第二王子さん» コメントありがとうございますm(_ _)mすみません、その作品は存じ上げないですね…! (2022年4月20日 15時) (レス) id: 5d748230e5 (このIDを非表示/違反報告)
茨の谷の第二王子 - 青龍、玄武、白虎、朱雀って「異世界で神獣にハメられました。」で見たぁ! (2022年4月20日 0時) (レス) @page33 id: d096c6aa19 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - ノアさん» コメントありがとうございますm(_ _)m一日一話がんばります! (2021年12月27日 19時) (レス) id: 5d748230e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:翡翠 | 作成日時:2021年11月15日 1時