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19話 ページ25

「ちょっ、ちょっとナナミン、タンマ!!」

「その呼び方はやめてください」

「って言いつつ手は止めない流石ですねぇ!」



腕や足を次々に切り落とされる。
すぐ治ってもたちどころに切られる。

キリがない。

私の体的にはなんか全然大丈夫そうだけど、私と戦う前からボロボロだったナナミンが死んでしまう。



「血ぃ出しすぎなの!! 腕も頭も!!」



さっきの特級との戦闘で、いろいろなところからの出血が止まらない。治療しなければ危ないだろう。

もう反撃、というか拘束してもいいかな…


と思い始めたところで、ポケットに入っているスマホが振動した。
通話がかかってきたんだ。



「あぁもう」



ナナミンは止まってくれないので、片手間に取り出した。

ナナミンの眉がぎゅっとなったのは、私が余裕綽々としているからか。


表示されていたのは「五条」の文字。

今は驚いたり舞い上がっている場合じゃなく、すぐに応答ボタンを押した。



「《あ、つながっ》」

「助けて!! 今ナナミンに襲われてるんですけどぉ!!」



五条先生が私を生かそうと思っていることはさっき聞いた。

ならば話は早い。
五条先生の言葉を遮って状況を手短に伝えた。



「《七海のことかな? なにしてんのか知らないけど、代われるかい?》」

「難しそッ」



つまずいて「ぐえっ」と声が出る。

しまった。目前にナナミンの鉈が迫る。



瞬間、スマホから発せられた大音量の声。



「《七海ィ!!! ソイツ祓っちゃダメだからな!! 僕が行くまで待ってなさい!!》」



ピタッと顔面数ミリでギリギリ止まる鉈。

こわいこわいこわい



「…チッ」

「舌打ち…」



攻撃は止まり、やっと私は解放された。


私は呪霊なので複雑な反転術式なしで治せるが、人間は違う。

お互いに落ち着いた途端、ナナミンが地面に力なく倒れ…


る前に、滑り込んで受け止めた。



「っと、やっぱ限界じゃんかぁ…」



頭を支えて地面に横たわらせる。
気を失っている。



「どうしよう」



生憎私は反転術式を他人にかけることなどできない。


でも五条先生が来ると言っていたので、心配はなさそうだけど…



「ん? 待って。五条先生が来る?? ここに?? 現代最強の男がここに来るって言った??」



え、え、え、
推しとか推しじゃないとか以前に、立て続けでネームドキャラに会ってしまったら私は死んでしまうかもしれない。

いろんな意味で。

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翡翠(プロフ) - まるめんさん» ありがとうございます!めちゃくちゃ嬉しいです (9月9日 16時) (レス) id: dbd7e88ded (このIDを非表示/違反報告)
まるめん - 夢主イメージイラストうますぎません???お話も面白いです (9月9日 15時) (レス) @page19 id: 17d5d6def1 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - 茨の谷の第二王子さん» コメントありがとうございますm(_ _)mすみません、その作品は存じ上げないですね…! (2022年4月20日 15時) (レス) id: 5d748230e5 (このIDを非表示/違反報告)
茨の谷の第二王子 - 青龍、玄武、白虎、朱雀って「異世界で神獣にハメられました。」で見たぁ! (2022年4月20日 0時) (レス) @page33 id: d096c6aa19 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - ノアさん» コメントありがとうございますm(_ _)m一日一話がんばります! (2021年12月27日 19時) (レス) id: 5d748230e5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:翡翠 | 作成日時:2021年11月15日 1時

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