第五話 ページ7
夜に月人は来ないはずだ。
そもそも私は宝石ではないのだから、月人からの扱いはどうなるのだろう。
そんなことを考えつつ草原を歩く。
と、走っていく光が見えた。
ダイヤだろう。
おそらくシンシャにヒントを貰ったのだ。
私も戻ろう。
………………
「どこへ行っていた？ ひどく心配したぞ」
姿を見せるなりジェードの説教。
申し訳ないとは思うが、楽しめた。
あの後、答えが分かったダイヤが戻り、皆を起こしフォスを貝殻から救出した。
起きたフォスは件のナメクジと会話が出来るようになっていた。
そして、私はジェードのもとへ行くや否や説教が始まった。
「ともかく、無事でよかった」
「じきに先生がお目覚めになるだろう」
「私に着いてきてくれ」
言われるがままジェードに着いていく。
こうして見ると、やはり綺麗だ。
髪が緑色に輝いている。
少し眩しいくらいに。
私も補正がかかっているとは言え、ほとんど人間の私と比べると全身が細く、肉感が無い。
宝石、なのだと全てが訴えかけてくる。
「あ 先生！おめざめですか」
「ジェード」
前を歩く先生に気付いた。
迅速に報告を済ませるジェードはやはりすごい技量だ。
そして、ナメクジの話も。
次はフォスが先生と話す。
「生きているだけで良いと」
「何度も諭したが＿＿＿」
「ただ息をしてやり過ごすには」
「あの子は優しく 聡明すぎる」
フォスは去っていった。
………………
「ジェードから聞いている」
「教えずとも自分で動き 言葉も分かると」
頷く。
私はまだ、ここへ来てから声を発していない。
いきなり流暢に話すと驚かれるだろうから。
しかし、先生には分かっているようだ。
「私は＿＿＿」
………………
ここへ来る前の話をした。
理解されまいが、私が他の皆とは違うということを知ってもらうだけでも。
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翡翠(プロフ) - おうるさん» コメントありがとうございます。更新が遅くて申し訳ないです…。励みになります。 (2019年11月19日 19時) (
レス) id: 845110876f (このIDを非表示/違反報告)
おうる(プロフ) - めっっっっちゃこの作品好きです!!!!!更新頑張ってください!!(*^^*) (2019年11月19日 18時) (レス) id: 3d90f48b0e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翡翠 | 作成日時：2019年8月14日 2時
