自問自答 ページ38
部屋に戻ってココアを一口含む。
疲労感からか、いつもよりもココアが甘ったるい。
完璧に治された自分の身体を指でなぞる。
「....私のことを大切に思ってくれてるって解釈いいんだよね」
考えすぎるとまた分からなくなるし、もう考えない方がいいってことは分かってるんだけど。
改めてそう思うと、何とも言えない高揚感に襲われる。
なんなんだろう、この気持ちは。
私はずっと、憂太に大切に思われたかったのだろうか。
....というかそもそも、私は今憂太にどんな感情を抱いているのだろうか。
私も憂太のことを大切に思っている、というのは確かだ。
だって憂太がいなきゃ死んでたし。命の恩人だし。
以前真希に似たようなことを聞かれた時も、そんな回答を返した気がする。
でも、今はそれだけじゃない気がするんだ。
私が今、憂太に抱いてる感情は───
「....え、何？」
突然スマホが振動し始める。
どうやら上層部からの一斉メールらしい。
これはもしかして....
「呪術師の応援要請。空いてる人は来るように、か」
やっぱり応援要請か。
よくあると言うわけではないが、珍しい光景でもない。
場所は....あそこの高層ビルあたりか。
行きたいのは山々なんだけど、行ったら憂太に怒られるよな....
安静にしてろと言われた以上、命令には逆らえない。
んー、今回はパスか....な....
「え、待って。ここって私が今日行くはずだった任務先....」
と言うことは、必然的に憂太が今いる場所となる。
....嘘。応援要請って、憂太に対してのことなの？
あの憂太だよ？特級呪術師の。
これは、憂太の身が相当危ないことになってるかもしれない。
「....ごめん憂太。許してね」
パンを一口頬張って、後先考えず部屋を飛び出した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 473人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
しろりん(プロフ) - 完結おめでとうございます！憂太くんの夢主ちゃんへの過保護っぷりが…ドキドキしました…夢主ちゃん…これからは怪我に気を付けてほしいな…憂太くんとお幸せに！☺💞 (4月30日 19時) (
レス) @page47 id: 2a6843f9ca (このIDを非表示/違反報告)
cloudy1_11(プロフ) - 読んでると顔が◜𖥦◝ﾇﾌﾌってなっちゃいます！（謎） (1月22日 20時) (レス) @page22 id: f03e70c477 (このIDを非表示/違反報告)
しろりん(プロフ) - とっても良いお話ですね！夢主ちゃんが…憂太くんと関わる事で…どう変わっていくか楽しみです！☺ (12月31日 11時) (レス) @page17 id: 2a6843f9ca (このIDを非表示/違反報告)
セネリオ - スター作者おめでとうございます！これからも応援し続けたいと思います。 (12月25日 7時) (レス) @page17 id: 48af94a731 (このIDを非表示/違反報告)
さとう - 初めまして、作品めちゃくちゃ面白いです！こんな私がいつのも変ですがこれからも作品作りしてくれると嬉しいです( *´꒳`* ) (12月13日 18時) (レス) @page7 id: 81b5ea6727 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：碓氷エマ
| 作成日時：2023年12月10日 13時
