炭酸水 ページ13
「起きて、Aちゃん」
「ん.......？」
「起きてってば。もう起こすの5回目だよ？」
体が左右に揺すぶられる。
視界がぼやけながらもなんとか起き上がって、声のする方を向いた。
「憂太......？」
「はぁ、やっと起きた。Aちゃん、ご飯食べたまま突然寝始めたんだよ。覚えてない？」
確かに今考えると、ご飯を食べてからの記憶が全くない。
.....美味しいご飯をあんな量食べたから満たされて、つい気が抜けちゃったのか？
やばい、何も記憶ない......
「その様子だと本当に覚えてないみたいだね」
「ごめん、本当に疲れてたみたいで.....真希たちは？」
「部屋戻ったよ」
「......憂太は戻らなかったの？」
「こんなところに1人置いてくわけにはいかないでしょ」
つくづくお人好しなんだな、この人は。
自分を殺そうとした人の歓迎会まで開いて、寝たら起きるまで待っててくれるなんて。
優しすぎて困ることとかないのかな。
「でも.....Aちゃんも馬鹿だよね」
「僕は君の生死を常に握ってるんだよ？
君を告発すればすぐに地獄に送れるし、なんなら自分の手で殺めることだって出来る」
「僕の目の前で無防備に寝るなんて、危機感がなさすぎる」
顔を両手で掴まれてそんなことを言われた。
「そう....かもね。危機感がないって言ったら嘘になるかもしれない」
「実際私も、確実に殺されないって信じて寝ちゃったわけじゃないよ」
「じゃあなんで.......」
私の顔を掴む憂太の手に優しく触れる。
「もちろん、死にたいわけじゃないよ？
お母さんの敵だって討ちたいし、まだやりたいことはたくさんある。.....でも」
「憂太になら殺されてもいいかなって、そう思うんだ」
「......！」
「おかしいよね。私もそう思う」
「でも、戦ってて思ったの。憂太は優しくて、人を思いやれる人なんだなって」
「だから憂太ならきっと、殺す時でも私のことを思いやってくれるんだろうなって...そう思うの」
机の上に置いてあった炭酸水を一気に飲み干す。
冷たくて、でも少し甘くて、パチパチと弾ける。
起こしてくれてありがとう。と言い残して、私は1人部屋に戻った。
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しろりん(プロフ) - 完結おめでとうございます！憂太くんの夢主ちゃんへの過保護っぷりが…ドキドキしました…夢主ちゃん…これからは怪我に気を付けてほしいな…憂太くんとお幸せに！☺💞 (4月30日 19時) (
レス) @page47 id: 2a6843f9ca (このIDを非表示/違反報告)
cloudy1_11(プロフ) - 読んでると顔が◜𖥦◝ﾇﾌﾌってなっちゃいます！（謎） (1月22日 20時) (レス) @page22 id: f03e70c477 (このIDを非表示/違反報告)
しろりん(プロフ) - とっても良いお話ですね！夢主ちゃんが…憂太くんと関わる事で…どう変わっていくか楽しみです！☺ (12月31日 11時) (レス) @page17 id: 2a6843f9ca (このIDを非表示/違反報告)
セネリオ - スター作者おめでとうございます！これからも応援し続けたいと思います。 (12月25日 7時) (レス) @page17 id: 48af94a731 (このIDを非表示/違反報告)
さとう - 初めまして、作品めちゃくちゃ面白いです！こんな私がいつのも変ですがこれからも作品作りしてくれると嬉しいです( *´꒳`* ) (12月13日 18時) (レス) @page7 id: 81b5ea6727 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：碓氷エマ
| 作成日時：2023年12月10日 13時
