ドS彼氏な激重先輩【乙骨憂太】

ご褒美 ページ7

「ねえ、Aちゃん」





つーっと首筋がなぞられていく。



跡がついていない側の首に、甘ったるいキスを落とされた。





「......その首、もっとぐちゃぐちゃにしてもいいかな」





首に先輩の吐息が掠る。



途端にぞくっと震える私の体。




私もぐちゃぐちゃにして欲しい、なんて口走ってしまいそうになったところで、急いで息を呑んだ。





「......み、認め、ますよ。私が.....首に跡付けられるの好きってこと」



「でも、駄目です。周りの人にバレたら恥ずかしい.....ので」





思わず顔が真っ赤に染まる。



今にも私の首に噛み付いてしまいそうな乙骨先輩の肩を押して、そっと距離を離した。





「ふーん。好きってことは認めちゃうんだ」



「........」



「.....まあいっか。また今度すればいいもんね」



「いや今度も駄目ですからね.....！？」





全然私の言葉は響いてなさそうに見える。



本当にいつかやりそうだな......恐ろしい.......





「ていうかさ、」





突然ぐいっと顔を近づけられる。





「僕が来なかったら答えてたの？虎杖くんからの質問。僕とどこまでいったのかってやつ」



「.....確かに、答えないと面倒くさそうだなとは思いましたけど....流石に答えないですよ」



「まあ、そうだよね。言えるわけないよね」



「そういうことは日常的にしてて、ましてや―――」



「みんなが想像できないくらい、もっと大人なことしてるなんて」





乙骨先輩は人差し指を唇に当てて首を傾ける。



その表情は高校2年生とは思えないほどに大人びていて、私の胸が締め付けられる感じがした。





「あ、そうだ。はい、これ」



「......え？」





キラキラと輝いた口紅を手渡される。



私がずっと欲しいと思ってた、有名ブランドの新作の口紅。




なんで乙骨先輩がこれを.......





「Aちゃん最初に言ってたでしょ？ご褒美はないんですかーって」



「2問ミスとか言って騙しちゃったけど、全問正解だったことに変わりはないからね」





頭を優しく撫でられる。





「.....数学苦手なのにいっぱい頑張ったんだね。偉いよ、Aちゃん」





にこっ、と優しく微笑みかける乙骨先輩。



.......なんだ、それ。



ズルすぎじゃないですか。先輩。

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