ドS彼氏な激重先輩【乙骨憂太】

不穏 ページ36

「......A。あんたちゃんと仕事しなさいよ」



「えー、今ゲームいいところなんだけど.....」



「ちゃんと手伝わないと強制不参加にするわよ」



「わ、分かった分かった！やるから.....！」





机の上にびっしりと並んだ美味しそうな食べ物。



ジュースもお菓子もいっぱい並んでいる。




今日は真希さんの要望で、1,2年合同のパーティーとなった。



親睦を深めよう....というのは建前で、

間違えて狗巻先輩が大量に注文した出前を消費するというのが本当の目的らしい。





「にしても、先輩達遅くね？」



「どーせ用意は後輩にやらせようって魂胆なんじゃないの？」



「うわ、これが先輩と後輩の格の差ってやつか.....」



「いや少なくとも乙骨先輩は用意するだろ」





確かに.....と3人で声を合わせる。





「.....じゃあ事故とか？」



「おいA物騒なこと言うな」



「あの激強な先輩たちが事故に遭ってたら全国民とっくに死んでるって」



「じゃあ本当にどこ行って.......」





途端に扉がスパンっと開く。



その音に驚いた私達は、扉の方を向いてピタリと固まった。





「え......？誰も居ない.....？」



「いやでも明らかに誰かが開けた勢いだったよな」



「......扉に呪力の気配がする。知ってる人じゃないやつ」



「呪霊の可能性がある。戦闘態勢」





伏黒の言葉を聞いて、みんなで背中を合わせる。



静寂の中、再び扉の付近に微かな呪力を感じた。





「俺行ってくるわ。みんなここで待ってて」



「気をつけなさいよ？」



「何かあったらすぐ言ってね」





扉の方に向う虎杖を3人で見つめる。



全員術式がいつでも発動できるように構えた。





「......ん？誰も居な.........」



「.....っ、！？」





突然目の前に現れた膨大な呪力。





「残念。隙ありすぎだよ」





腕をぐいっと引っ張られて、床に押し倒される。



わけも分からず目を開けたら、目の前には乙骨先輩の姿があった。

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