ドS彼氏な激重先輩【乙骨憂太】

再 ページ33

まだ頭がぽやぽやとしている。



絶対、気持ちよくなんかならないって思ってたのに。



動画のやつじゃこんなんにはならなかったのに。




大きな波が押し寄せて、先輩の声と指の音に呑まれる感覚がした。





「涙で顔ぐしゃぐしゃになってるよ。....大丈夫？」



「じ、ぶんでも、よく分かんな....っ、」



「....うん。僕も本当に成功するとは思ってなかった」





先輩の声が聞こえる度に、身体がもっと欲しいって反応する。



ただ喋ってるだけなのに。少しも触れてなんかないのに。





「おっこつ、せん....ぱい」



「ん？」



「今のやつ、せんぱいが、私にやってくれたやつ....」



「もう、いっかい......やって、ほしい」





先輩はその言葉にビクッと反応する。



私についていた目隠しがするりと外された。





「....へぇー、こんなに素直に強請ってくるの珍しいじゃん」



「いいよ。Aちゃんが狂っちゃうまで何回も何回もやってあげる」



「でも.....」



「次は気持ちよくなってる顔、ちゃんと見せて。....僕から目を離さないでね」





先程までは見えなかった先輩の顔が鮮明に見える。



鋭く光った瞳が私のことだけを捉えていて、逃さないって訴えてて。



目を逸らそうにも逸らせない。





「力抜いて。僕に身を委ねて」





先輩の囁き声が、吐息が、私の耳を弄ぶ。





「―――愛してるよ。Aちゃん」



ﾊﾟﾁﾝｯ



「んあ.....ｯｯｯ、！！」





更に深い快楽の波が押し寄せる。



身体が震えて抑えが効かない。




.....や、ばい。どうしようもなく、ぞくぞくする。





「.....可愛い。気持ち良くて頭回らないんでしょ」



「ほら、まだ終わりじゃないよ」



ﾊﾟﾁﾝｯ



「うぁ....っ、！！せん、ぱいｯ、連続、むり....ｯ、！」



「何言ってるの？無理なんかじゃないでしょ」



「マゾヒズムなAちゃん」



ﾊﾟﾁﾝｯ





休む暇もなくどんどん耳が侵されていく。





「あーあーあー、こんなに身体ビクビクさせちゃって....」



「ご、めんなさいっ、もう一回ほしいとか言ったの、謝るから.....っ、！

もう無理、おかしくなる.....ｯ、」



「無理なの？こんなに気持ちよさそうなのに」



「ねえ、本当はもっと欲しいんでしょ？」



「―――A」



ﾊﾟﾁﾝｯ



「んあ゛あ゛っっっ、！！！」





頭が真っ白になって、ぷつりと何かが切れる音がする。



私の意識はそこで途絶えた。

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