ドS彼氏な激重先輩【乙骨憂太】

体感 ページ32

「ほら、想像して」



「僕は今Aちゃんの気持ちいいところに触れてる。

Aちゃんは僕のことしか考えられなくて、喉が枯れるくらいに喘いで.....」



「もっとくださいって、僕に縋ってる」





鮮明にその情景が思い浮かぶ。



そんなこと、今は1mmもしてないはずなのに。



本当にしているみたいで、頭がおかしくなる。





「気持ちよくて頭回んなくて、ただひたすらに僕にしがみついて」



「感じることしか出来なくて目に涙が滲んでる」



「せんぱい、それ、やめ.....っ、」





先輩の声を聞く度に身体が跳ねる。



ただの妄想なのに、本当のことみたいで変な感じになる。




どうしようもできなくて、咄嗟に耳を塞いだ。





「だめだよ。ちゃんと僕の声聞いて」



「こんなので気持ち良くなるわけないんでしょ？」





両手を上に縛り付けられて、耳を優しく噛まれる。





「んぁｯ、！？！？」



「あ、身体ビクってした。.....可愛い」



「その顔....もっと欲しいってことでいいのかな」





耳の中に先輩の舌が入り込む。



わざとらしく音を立てて、逃げようとする私を押さえつける。





「うｯ、あっっ、待って、だめだめだめ.....ｯｯ！」



「んー？聞こえないなぁ」



「も、無理ですｯ、みみ、おかしくなる....っ、！」



「だめ。まだ肝心なことしてないでしょ」





私の髪と先輩の指が絡む。






「じゃあ......そろそろカウントダウンしよっか」



「5数えた後に僕がパチっと指を鳴らすから。

そしたらAちゃんは気持ちよくて仕方なくて、頭が真っ白になる」



「ほらいくよ？」





先輩の口が私の耳元に近づいた。





「5,4,3,2,1........」



「1,1,1.....ふふっ、期待してるの？」



「指の音が鳴ったら、Aちゃんはどうなっちゃうんだろうね」





ドクドクと心臓が鼓動を打つ。



1から一向に進まないカウントダウンがじれったい。





「そんなに早くほしいの？じれったくてどうしようも出来ない？」



「....分かったよ」



「1,0......」



「―――ほら、おいで」



ﾊﾟﾁﾝｯ





右耳に響く指の音。



私の腰は思わずぐいっと反り返る。





「ん゛んっ〜〜〜〜！？」





漏れ出る甲高い声。



これまで体感したことのない快楽が私を襲う。




な、んで.....声と音だけ、なのに.....





「触ってないのに気持ちよくなっちゃったの？」



「....流石淫乱なAちゃんだね」

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