ドS彼氏な激重先輩【乙骨憂太】

再会 ページ21

「え、Aちゃん！？Aちゃんだよね！」



「マジじゃん！超久しぶり！」



「お前どこの高校行ったのかもよく分かんねえし、

誰も全然見かけねえって言うし死んだのかと思ったわ！」



「絶対A来ないと思ってた」





忘れられてたらどうしよう、なんていう心配は無用だったことに気づいた。



みんな賑やかに私のことを迎えてくれてる。




あ、いつも宿題教えてくれてた子にお菓子くれてた子......



辺りを見回すと懐かしい人達が沢山いる。



そんな中、真顔で突っ立っている人が1人。





「......っ、」





.....久しぶりだ。本当に。



前までは毎日会ってたっていうのに、振ってからは姿を見ることも少なくなってしまった。




思わず目を逸らす。



いいんだ。別に喋れなくても。



ただ一目見れたら、それで―――





「久しぶり、A」



「最近全然姿見ないから心配してたよ。元気してた？」





いつの間にか私の隣からそんな声が聞こえてくる。





「......久し、ぶり。涼.......」





あれ、なんでだろう。



振ってから全く喋ってくれなかった涼が、私に喋りかけてくれてる。



昔と同じ優しい顔だ。



こんな表情、私に向けてくれるのなんていつぶりだろう。





「A、少し痩せたんじゃない？ちゃんと食べてる？」



「大、丈夫。ちゃんと食べてる......そっちこそ背伸びた？」



「うん。1年で10cmも伸びちゃった」





......前みたいだ。振る前の、仲のいい幼馴染だった時みたい。



もしかして、涼も前の関係に戻りたいと思ってくれてるのだろうか。



時間が経って、考え方が変わったってこと.....？




だとしたら.....すごく嬉しいな。





「え、Aと涼ってなんか距離なかったっけ？そのー、振られて.....から」



「私もその印象だった.....いつの間に仲良くなってたの？」



「僕の考え方が変わっただけだよ。時間はなんでも解決してくれるからね」





にこっ、と涼は優しく微笑む。





「久しぶりに一緒に楽しもうよ。A」

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