片目が義眼の転校生は...【名探偵コナン】

Cafe＿6 ページ9

降谷side




お昼時の大盛況が一段落し、学生が賑わうであろう夕方の第二盛況に備えて切り盛りを行う



野菜のザク切りが店内に心地よく響く


コーヒーのドリップした香りに包まれて絶妙なコントラスを造り上げる、そんな中




＿＿チリン



軽快なドアベルが耳に届き、ごく自然と視線を向けた



しかし、




「安室さーん！こんにちは」

「来ちゃいました！！」

「安室のにーちゃん、新作のスイーツ出来たか！！？」



いつもの顔触れ、少年探偵団とコナン君、灰原哀



なのに、完全に見知っている別のイレギュラーが難なく溶け混んでいるのを一目見て唖然とした




「＿＿カシス...」




ポツリと溢した瞬間、銀の髪を揺らした少女が怪しげに口角を上げ人指し指を唇に当てていた



＿＿“秘密”、というよりは“公言するな”の見解が正しい



思わず洩らしてしまったが幸い、といって良いものか洞察力に長けたあの少年少女は気付いていない模様



よくこれで公安が務まるな、いや、この幹部の前ではバーボン。だがしかしここは喫茶ポアロであって、アルバイターの安室透、等と内心ゴタゴタしていた





「安室さんこの子はね、今日転入して来た同じクラスの黒澤Aちゃん」

『はじめまして』

「はじめまして。僕はここでアルバイターとして勤めています、安室透です」



驚く事に一瞬の隙も見せない彼女はさも初対面の様に振る舞う


遅れを取る訳にはいかないと自分も同様に返した




＿＿流石ジンの妹であり、コードネームを与えられるだけある


子供にはある筈の無い大人特有の闇を纏った貫禄が渦巻いていて、背中がゾクリと粟立った

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