片目が義眼の転校生は...【名探偵コナン】

Eye＿5 ページ8

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畦道


田んぼ


虫けらの羽を振動させる音





...とはご縁のないバリバリ都会の住宅地が立ち並ぶ通路を歩く



「でねー、るみ先生おっちょこちょいだから教壇に頭ぶつけたんだよ！！」

『面白い先生だね』



当たり障りのない会話を交わしながら歩美ちゃんのクリクリした目が覗き込んできた



「ねえねえ、この後時間ある？」

『え、？ああ、うん』

「じゃあさ！とっておきの場所に連れて行ってあげる」



とっておきの場所とは。聞き返そうとしたがとっておきなら聞くのは野蛮だ


楽しみだなぁ、と返してランドセルを背負い直す




「じゃあコナン君達も...ってコナン君？そんなとこでどうしたの？」



ふと視線を感じる背後


左から振り向こうとした瞬間、右肩に手を置かれ過剰に肩を震わせた



『びっ...くり、したぁ。どうしたの...？えっと、コナン君』

「...なぁ、もしかして」




＿＿右目、悪いんじゃねぇの？



コナン君により発した言葉が反芻し、周りに不自然に溶け込めないでいる



「俺が右後ろに居ても全然気付いてなかっただろ？それに左に比べて右は黒みがかかってる」



わざわざこんな大勢の前で言わなくとも


ニッコリ笑顔を浮かべるが、歩美ちゃん達が興味津々に覗き込む


「本当だ！」

「確かに右の方が暗いですね」

「右悪りぃのか？」



言いたい事をどんどん言葉にする彼らを前に少し目を伏せた



『実はね、目じゃなくて、耳が、悪いの』

「え？」


これに反応したのはコナン君



『目は左の方がメラニン色素が薄いみたいで、後は全然問題無いの。ただ右の“耳”が悪いから。そっちから来られても反応が遅れちゃうの』



だから、ね？クラスの皆には秘密にしてて



懇願すれば快く受諾してくれて、灰原ちゃんとコナン君もいつかは理解してくれると思う




これが嘘だと知らずに



「あー！ほら、早くしないと時間なくなっちゃう！！」


歩美ちゃんに急かされ、とっておきの場所までごく自然にスピードを速めた

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