非現実的妄想論 (ページ17)

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非現実的恋愛論-K ページ17

「メモちん」

「キヨ、おっせーぞ」

この前告白したら軽くOKされた

その時は感無量で、

もう訳わかんなくなるくらいはしゃいでた

今思うと「んー、いいよー」でOKするこいつの神経マジ意味わかんねぇ

もう少し「ありがとう、私もキヨ好きだよ、こちらこそよろしくお願いします」とか言えないの？

言えねぇか、こいつだもんな

「どこ行く？」

「ゲーム売ってる所」

「ん、行くか」

手を差し出すと握手してきた、違うそうじゃない

「ちげぇよ、こう」

「あ、うん」

いわゆる、恋人繋ぎ

手あったけぇ、子供体温なのか？

「俺手冷たいだろ、ごめんな」

「いっこうに構わん」

ゲームを購入して俺の家へ

掃除した部屋はいつもより輝いて見えた

「部屋綺麗、掃除したでしょ？」

「まーな」

「ふっへへ、私には何でもお見通しだぜ」

そう言ってこたつでぬくぬくと暖まってるそいつの頭を撫でてやる

髪キレーだなぁ…

「キヨ君、ひとついいかな？」

「おう」

「恋人、とは、その…何をするものなんだい？」

…は？

「私恋人居たことねぇから！いやほんと分からねぇのよ！！ごめん！何すればいい！？」

「いつも通りでよくね？」

「それじゃ友達と変わりなくない！？…友達の方がやっぱ…」

「おい」

いつにもまして低い声が出る

グイっと引き寄せる

こたつで更に体温が上がっている

「キ、キヨ、おい、やめろ」

「友達の方がやっぱり？ふざけんなよ、やっと手に入ったのに」

目を丸くして驚くメモちん

…だって、やっと恋人になれたんだぞ

やっと、やっと俺のものに

「なぁ、A」

「…キヨ、その」

小さなリップ音

暫く見つめあったまま動かない

「キ、ヨ」

「好きだ、A」

抱き締めると、鼓動が伝わってきた

赤い耳、綺麗な髪

早い、鼓動