名前の無い酸素【実況者】【短編】 (ページ5)

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名無しさんつ[ハンカチ]さて、私はゾムしゃんと遊びま((死ページ5

彼は戦争が大好きだ

マグマが注がれたバケツとナイフを持って戦場で戦っている

いや、戦っているというよりは、舞っているの方があっているかもしれない

気配を消し、舞うように相手を殺す

彼は楽しそうだった

私はそれを城壁の彼方から見下ろしていた

隣にはくつくつ笑うグルッペンが居る

「そんなに気になるんか？」

気にもなるさ

あいつは楽しそうに笑いながら敵を殺していく

私はその顔に惚れていた

「いつかお前もあそこで戦うんやぞ」

「何言うてんの、そんなんすぐ死ぬやろ」

血塗れのあいつが戦場から帰ってくる頃

まだ私は生きているだろうか

「進行状況は？」

「ぼちぼちって所」

「そうか…」

この胸が痛くて締め付けられる病はいつ治るんだろうか

彼が戦っているなら私も戦う

勝てるさ

何せあいつは味方最大の脅威

人を殺して、殺して

そしてその屍の上に立つグルッペンを影から守る

「いつ頃終わりそう？」

「さァな…でも、すぐ終るさ」

グルッペンが窓の外を見る

美しい青空が広がっている

その下は戦争してるってのに

平和な空だ

「飛鳥」

「何？」

「あそこ、行きたくないやろ？」

頷くとグルッペンがまたくつくつ笑った

「じゃあ＿＿＿＿死ね」

人の上に立つ者は考えが分からんな、本当に

天井、あんなに高かったんだ

血ってこんなに赤いんだ

「病気で死ぬより、戦争で死ぬより、早かったやろ？」

「ああ…そうやね、グルッペン」

私は本当に死んだ

死んで、悲しんでくれるかな？

ねぇ、血塗れのマーダー？