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( 続きです )
息を整え、先程から止まらない涙を無理やり拭っては、噴水の縁に座る。
夜な為人も居らず、薄暗くて静かな公園は、彼と初めて2人で出掛けた時に来た所だ。
……懐かしいな、なんて思いつつ、 膝を抱えて思い出に浸っていては 、 再び泣きそうになり、小さく鼻を鳴らす。
「 Aｯ……！！」
『 … 、え、ゾム、？』
不意に聞こえた彼の声に思わず顔を上げる。
はぁ、はぁ、と相当急いできたのか、息を荒らげた彼が此方に駆け寄ってきた。
「 すまん、 …ちゃんと話すわ。 」
『 …分かった。 』
息を整えて真っ直ぐ此方を見据える彼。此方も頷いて抱えていた膝を降ろしては、相手を見上げる。
「 あんな、… 一緒に出掛けてたっていう女は俺の会社の上司やねん。んで、既婚者。」
『 ……え、 』
「 そんでな、夜中まで帰って来れへんかったのはほんまに仕事で、残業代出してもらう為やねんな。 」
『 …う、うん… ？ 』
そこまで話してから、彼が突然跪いてポケットから小さな箱を取り出した。
「 誤解させてほんまにごめん。全部この為に用意しとってたんや。 」
『 … ゾム待って、それほんとに、？』
「 ほんまやで。本気で言うとる。」
そこまで話して、ふー、と息をついた彼が覚悟を決めたように此方を見て微笑む。
「 …A、こんな俺でも良ければ、…結婚してくれへんか、？ 」
彼が 持っていた小さな箱を開き、その中にある指輪を差し出す。
『 ……でも私、ゾムにたくさん酷いこと言っちゃった… 頑張ってくれてたのに、… 』
「 ええで。 俺の気が回らなかったのも悪いし、何より、Aやて疲れとったやろ。仕方ないわ。 」
先程とは違い、嬉し涙が私の頬を流れていく。
長い髪から覗くペリドットの瞳が優しくこちらを見、「 それで、返事は聞いてもええ？」なんて問われる。
『 …勿論、よろしくお願いします。』
そう言って頷けば、彼が私の左手を握り、薬指に先程の指輪を嵌めてくれる。
「 いつも仕事で大変やけど、これからは2人で支えあえるようにお互い頑張ろうな。 …いつもほんまにお疲れ様。 」
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長くなりましたがお読みいただき有難うございます。
リクエストをして下さった、きのこ(emさん推し)様、有難う御座いました！
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きのこ(em推し) - 彗月翠さん» ふぁぁぁぁぁっぁぁぁぁぁぁぁぁ ありがとうございます！尊みが深いです！！ 文才と語彙力に溢れてる(´;ω;｀) (2019年11月17日 21時) (
レス) id: 4906f728aa (このIDを非表示/違反報告)
彗月翠(プロフ) - きのこ(em推し)さん» 有難うございます！！どちらもないですよ......！？ (2019年11月17日 19時) (レス) id: ab958d2cb5 (このIDを非表示/違反報告)
きのこ(em推し) - 喧嘩ネタ尊い(´;ω;｀)です！文才と語彙力分けてください(´;ω;｀) (2019年11月11日 14時) (レス) id: 4906f728aa (このIDを非表示/違反報告)
彗月翠(プロフ) - きのこ(em推し)さん» リクエスト有難うございます！その2人のネタがちょうど思いつかず困っていたところなので正直すごく助かります。2つとも書かせて頂きますね！有難うございます、これからもどうかよろしくお願いします！ (2019年11月11日 12時) (レス) id: ab958d2cb5 (このIDを非表示/違反報告)
きのこ(em推し) - zmさんとの喧嘩ネタ(仲直りあり)とemさんとのコウノトリ信じてるネタが見たいです。基本ハピエンがいいです。大好きです(´;ω;｀)応援してます。 (2019年11月11日 10時) (レス) id: 4906f728aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彗月翠 | 作成日時：2019年11月10日 2時
