おかえり。〔tn〕 ページ12
「ただいまぁ、…ってうおぉ…びっくりしたぁ…」
『おかえり〜、暇だから来ちゃった。』
仕事帰り、幼馴染みであるトントンの家に無断で入り込み、極力電気を消して彼を待つこと約１時間。ようやく帰ってきた彼を驚かすことに成功した私は上機嫌で彼のもとに駆け寄り、『酒とか買ってきた？』なんて勝手に彼の持っているビニール袋を覗き込んだ。
「あるわけないやろ。というかお前前に持ち込んだ日本酒まだ残ってんねんぞ。」
『あ、まじ？もらうわ。』
ため息をつく彼を横目に戸棚に放置された日本酒をコップに注いで飲み干す。
彼は夕飯に買ってきた弁当を食べ始めていた為もう一杯日本酒を注いでその隣に腰掛けると「食いたいん？」なんて聞かれ、首を横に振る。ふーん？なんて返し、黙々と食べ進めていく彼。
「…で、何があったん。」
『何が？』
「暇やったわけちゃうやろ。そもそもお前仕事終わる時間俺と同じくらいやん。」
もう少しで食べ終わる。相変わらず早いなぁ、なんてその様子を眺めつつ、彼の話に耳を傾ける。
『…よくわかってんね。』
「何年一緒におると思ってんですかねぇ…」
やっぱ彼には敵わない。
トントンのいうとおり、私は今日、いつもより早く仕事をあがらせてもらった。理由は特にない…というと嘘になるが、ただ辛くなってしまった、というのが正しいだろう。
『…疲れた。』
「おん。ようがんばったな。」
『仕事から逃げちゃった…』
「一回くらいええよ。無理される方が困るわ。」
彼に話しながらぼろぼろと涙が溢れていく。
わしゃわしゃと少し乱雑に、けれど優しく撫でてくれるその手にすり寄ると、柔く細められたルビーと目が合う。
「＿＿お疲れさん。今日はゆっくり寝て、また頑張れそうなら自分のペースで頑張りや。」
ラッキーアイテム
紫のストール
ラッキーカラー
あずきいろ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 50人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
きのこ(em推し) - 彗月翠さん» ふぁぁぁぁぁっぁぁぁぁぁぁぁぁ ありがとうございます！尊みが深いです！！ 文才と語彙力に溢れてる(´;ω;｀) (2019年11月17日 21時) (
レス) id: 4906f728aa (このIDを非表示/違反報告)
彗月翠(プロフ) - きのこ(em推し)さん» 有難うございます！！どちらもないですよ......！？ (2019年11月17日 19時) (レス) id: ab958d2cb5 (このIDを非表示/違反報告)
きのこ(em推し) - 喧嘩ネタ尊い(´;ω;｀)です！文才と語彙力分けてください(´;ω;｀) (2019年11月11日 14時) (レス) id: 4906f728aa (このIDを非表示/違反報告)
彗月翠(プロフ) - きのこ(em推し)さん» リクエスト有難うございます！その2人のネタがちょうど思いつかず困っていたところなので正直すごく助かります。2つとも書かせて頂きますね！有難うございます、これからもどうかよろしくお願いします！ (2019年11月11日 12時) (レス) id: ab958d2cb5 (このIDを非表示/違反報告)
きのこ(em推し) - zmさんとの喧嘩ネタ(仲直りあり)とemさんとのコウノトリ信じてるネタが見たいです。基本ハピエンがいいです。大好きです(´;ω;｀)応援してます。 (2019年11月11日 10時) (レス) id: 4906f728aa (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：彗月翠 | 作成日時：2019年11月10日 2時
