「白龍」 ページ24
ー向井ー
記憶から抜け出すと
手を繋いだままのその子が座っている
向井「ここから先は、俺だけの記憶じゃないから」
『俺だけ、？』
向井「雪乃屋にいる妖憑きの九人は、陰陽師、つまり国からの命を受けて集まった。」
『妖退治のために？』
向井「そうやで。それぞれが人並み外れた力を代々受け継いでる名家の跡取りで、俺が部隊に入った時は既にみんな妖が見えてるみたいやった。」
『9人だけの部隊だったんですか？』
向井「10人。元々はな。」
『じゃあ、そのもう1人は、？』
向井「んー、死んでもうてん。」
『えっ、』
向井「あ、あんまりこう言う話したらあかんて言われてるから、、ごめんな。」
『、、、いえ、』
手を握ったままのその子は、俺の手をじっと見ていた。
向井「あ、ごめんな？人殺したことのある人の手なんて、いやよな。怖いもん見せてごめんな？」
『そんなことっ！』
話そうとした手を、その子は力強く握り返した。
『怖いなんて、、嫌だなんて思いません、』
向井「えっ、」
『わたし、誰かに手を優しく握ってもらって、外に連れ出してもらったのは初めてでした。、、凄く楽しくて、あったかくて、こんな気持ちになったのも初めてで、、。だから、怖いなんて思ってないですっ！』
必死になって語りかけてくれるその子の目は、まっすぐで、「嘘がない言葉だ」と分かる。
怖がられる覚悟で見せたし、怖がるようなら俺たちと一緒にいない方が良いとも少し感じてたけど、この子は俺が思っていた以上に現実が見えてるし、俺たちのことを知りたいと思ってくれている。
向井「ありがとう。
あ、なんかこれに時間使いすぎてしもたなぁ、もう一個行きたいとこはあったんやけどなぁ」
『どこにですか？』
向井「ふふっ、ねぇ、甘いもん好き？」
『あ、甘いもの？』
向井「食うたことないか、多分びっくりするで、」
『美味しいもの、？』
向井「うん！行ってみる？」
『っはい！行って見たいです、！』
向井「おおっ！いいねぇ！じゃあ、」
そう言って立ち上がると、引っ張り上げるようにその子を立たせた。
向井「行こう」
『はいっ』
少しだけ明るい表情になったその子を見て、なんだか俺も嬉しくなった。
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スヒョン(プロフ) - m.mさん» コメントありがとうございます！頑張って編集した甲斐がありました。お話も随時更新していくので読んでくださると嬉しいです！ (9月7日 12時) (
レス) id: 923ba31eb7 (このIDを非表示/違反報告)
m.m - 今回の動画胸熱すぎました！何回もリピしてます！小説も動画も更新楽しみにしてます！ (9月6日 20時) (レス) id: c7ba4a52f7 (このIDを非表示/違反報告)
スヒョン(プロフ) - くみさん» くみさんコメントありがとうございます😊少しずつみんなの過去が明らかになってくるので読んでいただけると嬉しいです。 (6月12日 15時) (レス) id: 923ba31eb7 (このIDを非表示/違反報告)
くみ(プロフ) - 更新ありがとう御座います！毎回楽しみに読ませて頂いております！皆さん悲しい過去を背負って生きてきたのですね｡･ﾟ･(ﾉ∀`)･ﾟ･｡ (6月11日 21時) (レス) id: ac351487ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：スヒョン
| 作成日時：2023年6月8日 13時
