幼馴染だから仕方ない (ページ10)

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幻想ページ10

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『…なんで…サーナイトの素早さは…』

スグリ「あれ？A、こんな時間に何してるの？」

『あっスグリ！ちょっと考え事！』

あいつもこいつも使えない
私の特訓に付いてこれているのは古参の相棒のみ
そう考えている時にスグリが現れた

ぱっといつもの笑顔を作って見せたが、様子がおかしい
スグリの僅かな瞳の動き、癖である腕を揺らす行為

まさか勘付いた？
ありえない、いつもこれでやり過ごして来たけど…

この日を堺にスグリは突然バトルに熱心になった

私からの影響だったのなら申し訳ないけど、スグリ含め、周りの人達が見ていた「チルド」は「A」としての幻想を描いていただけなの

私は名前を捨てたいのに
スグリはいつまでも「チルド」のことを覚えている

スグリを始め、家族すら本当の私を知ることはない
というか、知られたら困るし…

そう、困る。とっても。

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スグリやゼイユはブルーベリー学園に戻り、いつしか
アオイとハルトもそれを追いかけるようにしていった

私もブルーベリー学園の生徒ではあったけど
まだキタカミから戻れない

だって私が、ブルーベリーグ現チャンピオンだから

『………そうでしょ？オオタチ…』

オオタチの入ったボールを握りしめ
今日も特訓に明け暮れる。

『スグリをチャンピオンには出来ない、私がスグリを守りたい…』

いつかあの双子が追いついて来るだろう
それをホイホイと通すわけには行かないし
私はもう負けられない

きっとスグリは四天王を散らして行く
その時には私は、スグリ相手でも一切の容赦はしない……出来ないんだ

気弱な性格だったスグリが
虐められていたのを助けた日から、私は強くなった

『ねぇ、強さなんて必要ないでしょ。』

『私がスグリを護るから…』

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ブルーベリー学園

スグリ「……」

最後の四天王、カキツバタも難なく倒せた
残るはチャンピオンであるAに挑まなきゃならない

Aを倒せたら
アオイやハルトにだって勝てるはずなんだ
きっと俺に秘密も教えてくれる

それと絶対嫁に来てもらいたいし…

虐められてた俺を初めて助けてくれた時から
Aは凄く格好良く見えて俺は一瞬で惚れ込んだ

だけど守られてばっかじゃ男として胸を張れない
だから残りはAを越えて、俺がAを護りたい

スグリ「なぁ、カミツオロチ。」