願事 ページ12
当然、
チャンピオンは見事にスグリの天候変化を利用し
やはり最後まで追い詰めた
両者共に残り一匹…
ましてやチャンピオンに至ってはわざとダウンしたように見える輩も少なくはない
そう、四天王を顔色一つ変えずになぎ倒してきた相手に、手加減をしている。と、観客が囁いたが
実際のところは本気で両者共に追い詰められていたのだ
『嬉しいよ、スグリ…最後まで相棒のカミッチュを連れてカミツオロチに進化させてくれたんだね』
『でも…同時に酷く残念、オオタチはどこにやったの?』
スグリ「今は関係ないだろ!!」
そう声を荒げたスグリの言葉を聞き入れたAは
少し悲しそうな顔をした
『……………そっか、じゃあ見せてあげる』
『頑張って、オオタチ!』
スグリ「っ、」
『私はね、スグリにだけは絶対に負けたくないの』
スグリ「えっ、な、なんで…」
アオイ「なんでだろ〜」
ハルト「確かに、スグリに拘ってる理由が知りたいね」
『まー、それは「その時」言うよ。』
『オオタチ───』
かくして、チャンピオンを退けることは出来なかった
圧倒的なステータスの差を乗り越え
オオタチが舞ったのである
━━━━
スグリ「……やっぱり」
ハルト「………スグリ…」
『じゃあね、これからも私を追いかけて』
観客が去った頃
Aはまたどこかに立とうと振り向き
歩みを進めようとした
スグリ「待った!」
その手をスグリが強く握ったのだ
Aは一瞬驚いた様子を見せたが
顔を合わせようとはせずにスグリの手を振り放そうとする
スグリ「A!」
スグリ「好きだ!!!」
ハルト「!?」
アオイ「えっ!」
『なっ』
全員の動揺を無視し、スグリは続けた
スグリ「俺と付き合って!」
『……』
Aは少しだけ怯み
戸惑ったが、何かを決意した様な顔で口を開いた
『やだよ!だってスグリ、私に負けたじゃん!
絶対に、スグリは私に勝てないもん!』
そう言い残し、Aは足速に去っていった
言い終わった瞬時には目にほんの僅かな潤いが見られた
Aが去って少しした後にチャイムが鳴り
スグリ達は集められた
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一人バトルコートを去った後、
Aはどこかもわからない草原を歩いていた
『……スグリがチャンピオンになれたらって約束でしょ…』
『絶対絶対、負けられない…』
オオタチ「オタ…」
Aはその場にうずくまり、呟いた
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作者名:リチトカ | 作成日時:2024年2月9日 16時