第十八訓、地雷を踏むのはガチでやめろ ページ18
その頃のド陰キャ私、そもそも好きな人などいないのでキョドりながら「いないよ」と答えたのだが、他校の子は「え〜うっそだぁ〜」「絶対いるでしょ〜」などとぬかしやがったのだ。腹立った。
いないって言ってるし嘘つくメリットがないしそもそもいたとしてお前らなんかに馬鹿正直に言うかよ!とやんわりした口調で返したが無駄だった。それから私のなかで恋愛が地雷と成り果てた。
まあ目の前の天パはそんなこと1ミリも知らないけどな!!なので怒りを必死に抑える。基本心は広いつもりだが地雷踏まれるとすごくキレ散らかすのが私です。よろしく。
「違いやすよ旦那。こいつは仕事の後輩です。そして俺は総悟でさァ」
「初めまして、Aと言います」
いけ営業スマイル!お前の出番だ!!多少顔が引きつってるが大丈夫だろう相手に好印象を持たせるんだ!!
「ふーん…。で、Aサンは総一郎君の彼女じゃないの?」
「違うっつってんだろ頭湧いとんのか」
「えっ」
「……あっ」
いっけね。うっかりお口が悪くなってしまった。ついでに殺意も全面的に顔面に出てしまった気がする。
即座に営業スマイルに戻る。
「沖田さん、この人たち誰ですか?…沖田さん?」
「ふっ、いやァ、何でもありやせん……ふふふっ」
何笑ってんねやコラ。仕方ないので天パ…は置いといて、比較的常人そうな眼鏡くんに目線を送る。
「!えっと、僕は志村新八、こっちの女の子は神楽ちゃんで、天パが銀さん…坂田銀時です!」
よしおっけー。これでちゃんと3人の名前言える。自己紹介される前に言っちゃったら色々面倒だからね。
「そっかそっか、ありがとう志村君。神楽ちゃん、さっきはごめんね?どこか痛いとこない?」
「大丈夫アル!私は丈夫な体してるネ」
それならよかった、と笑ったら向こうも笑顔になった。かっかわえぇ〜〜!!女の子っていいなァ〜〜〜!!!(だがしかし私も女)
傍らで「ねえ、俺は?」と執拗に声をかけてくる天パは無視だ。貴様は私の地雷を踏み抜いた。なのであと1話分くらいは話したくない。
すると目の前が真っ暗になった。え、何?ゲームオーバー??
「あ〜!!定春、ダメだよ食べちゃあ」
「定春?」
目の前が明るくなった。なんかべとべとする……。
「定春、めっ!銀ちゃん以外食べちゃダメヨ」
大きな犬が神楽ちゃんに怒られていた。定春、可愛いが是非とも食べないでいただきたい。
顔を拭きながらそう思った。
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作者名:杉元 | 作成日時:2021年4月3日 22時