【wrwrd】吹聴屋は金次第【男主】

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Asaid


A国へ向かい始めて3時間。着きました。
え？鎖国してるのにどうやって行ったかって？

んー情報料を取りたい所だけど…ま、いっか。

N国には城壁の彼方此方にトンネルがあるの。
それが各国の森の奥(周辺には霧がかかってるから見つけられない)に繋がってて僕達は見られずにトロッコで移動できる、って訳。
パスポートは偽装してるから検問にも引っかからないし。あのN国の人間だなんて誰も分からないからとっても楽。これもくられ先生が考えたんだよ。時々凄いよね、彼。

そうして着いたA国。この国は別名農業大国。世界の穀物、野菜、果実、植物の8割がここで生産されてるんだ。
国の人もほとんどが農家で、城下町には新鮮なのが安値で売ってある。皆おおらかな人なの。ニホンのアオモリ？の人が使う方便が主流でね。「ち」を「ぢ」って言うんだって。面白いよね。
あとスイーツ！めっちゃ美味しいの。特に城下町の1等地にあるケーキ屋さんのフルーツタルトが絶品らしくて！この為にオスマン様の依頼受けたぐらいだよ。

検問を通り、城下町に入る。
賑やかな声をが飛び交う中、土を踏みしめて進む。
この国に来るのは初めてだから沢山情報仕入れなきゃ。僕の��個性��を使ってね。

「サヴァン症候群」って病気で一度見聞きしたモノは一生忘れないの。凄いでしょ。生まれつき


��化け物！近づかないで！��

��気持ち悪い！��

��忌み子だ！殺せ！��


A『ｯ…はぁ…はぁ…』


ふいに、昔の事を思い出した。
僕が一番嫌いな記憶。一番忘れようと努力をした記憶だ。
この個性のせいで、今も残る出来事。
ずっと、苦しんで来た出来事。

呼吸ができない。

喉を何かが通っていく。

目の前に霧がかかった。誰かの声が頭の中で永遠と鳴り響く。

こんな所で吐いたらマズイ、と思った僕は嗚咽を抑え座り込んだ。
周囲の目線が集まり、心配の声が襲ってくる。
頭が痛い。沢山の情報がどんどん入る。痛みは増すばかり。


A『助…けて……(人1)…』


そこで僕の意識は途切れた。

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